トップツアーは熱気球を使った地域振興事業を本格化させる。自社のロゴの入ったオリジナルの熱気球を新たに用意して、「鳥の目線」から景観を楽しめる熱気球の搭乗体験イベントなどを全国各地に提案。一味違った集客イベントとしてだけでなく、宿泊利用の拡大のきっかけづくりにも活用してもらいたい考えだ。
熱気球を使った事業「バーズアイ ビュー プロジェクト」は、来年1月に創立55周年、社名変更5周年を迎える同社の記念プロジェクトの1つ。全国的に知られる「佐賀インターナショナルバルーンフェスタ」などの熱気球イベントをプロデュースしてきた町田耕造氏が会長を務めるNPO法人熱気球運営機構などの協力を受け、今年3月以降、山梨・石和温泉や滋賀・草津などで熱気球の搭乗体験イベントを開催してきた。
「地元や観光地を普段とは違った『鳥の目線』で眺めることで、地球の大きさ、美しさを感じられるのが熱気球の良さ。子どもの情操教育にもつながる」と米田稔・旅行業務本部商品開発部長。これまでに行った熱気球イベントが家族連れを中心に好評だったことから、自社で熱気球を保有し、事業を本格化させることにした。熱気球の運航は比較的風のない早朝が適しているため、早朝に運航されることが一般的。「熱気球に乗るには近隣に前泊することが必要になるので、観光地の宿泊利用の後押しにもなる」(米田部長)。
21日には、栃木県宇都宮市で開催された熱気球の国際大会「2010とちぎ熱気球インターナショナルチャンピオンシップ」の会場で、同社オリジナルの熱気球「トップツアー・バーズアイビュー号」のお披露目と有料搭乗体験を実施。搭乗者からは「揺れもなく気持ちがいい」「思っていた以上に高く感じるし、眺めもいい」などの感想が聞かれた。人気キャラクター「ドラえもん」の形の熱気球などと共に係留された同社の熱気球は、大会の観客だけでなく、併催された栃木経済同友会の秋祭りの来場者の人気も集めていた。
トップツアー・バーズアイビュー号は、同社のコーポレートカラーである青色を基調に、社名、ロゴをあしらったデザイン。社名、ロゴ部分は取り外すことが可能。乗員、乗客用のかごはドア付きで、車イス利用者でも乗ることができる。50メートル四方のスペースがあれば係留できるという。
同社では熱気球運営機構と協力し、地球の衛星写真をプリントした熱気球を使った環境教育事業の展開も予定する。
今後2年以内に全都道府県で熱気球関連イベントの開催を目指す。
トップツアー所有の熱気球