カーボンオフセット、旅行会社が積極導入


 旅行時に排出されるCO2を自然エネルギーの購入で相殺するカーボンオフセット。積極的に採り入れているJTBは、東西での啓蒙イベントとブランド展開の取り組みを新たに発表した。

 JTB関東は、「エコウイーク08」の名称で「お客さまと共に環境を意識するイベント」(同社)を16日〜5月6日に実施する。昨年に続き2回目。

 約1キロのCO2を相殺するカーボンオフセット旅行チケットを店頭への来店客にプレゼントするほか、出張などのチケット類の過剰包装を控える運動を展開。自然エネルギーの普及に貢献できる情報も発信する。

 JTB西日本は、エコツアーブランド「LOVEARTH(ラバース)」を11日に発売。一般団体、教育旅行団体に向け、環境を考えた社会貢献を提案する。国内商品は、コウノトリの野生復帰を目指す兵庫県・豊岡や、地域の旅館・ホテルが一体となって環境ISOを取得した琵琶湖・天橋立地区などの宿泊企画を用意。海外商品はオーストラリアやマレーシアなど。08年度に国内、海外を合わせて2万の販売を目指す。

 KNTは5月から、京都議定書にのっとった排出権の購入によるカーボンオフセットを、教育旅行団体に対し提供する。国連認定の排出権によるカーボンオフセットは旅行会社としては初めて。同事業により、同社が提供する環境学習旅行の付加価値を高め、需要取り込みを狙う。参加目標は初年度1万人。

 KNTの団体旅行事業本部カンパニーが取り扱う教育旅行の1つ、「環境学習旅行」にカーボンオフセットの仕組みを取り入れる。環境コンサルティング会社のリサイクルワン(東京都渋谷区、木南陽介代表取締役)と提携、排出権購入費用を旅行代金に上乗せすることで、カーボンオフセットを行う。

 同カンパニーは、学校にカーボンオフセットを旅行オプションとして提案。旅行後には証明書を発行する。負担金は一人100円程度から。旅行の行程やオフセット量に合わせ提案する。

 このほか、地球温暖化防止に関して、教材の提供や専門講師の派遣などの「事前・事後指導プラン」の提案も予定し、学習の深化を支援する。

 提携先のリサイクルワンは、今年1月から世界最初のカーボンオフセットプロバイダーであるイギリスのカーボンニュートラル社と提携。世界で通用する排出権基準にのっとった排出権取引サービスを提供している。

 
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