体験型観光の振興に取り組んでいる全国組織「全国ほんもの体験ネットワーク・全国教育民泊協会」(藤澤安良会長)の総会が5日、福島県南会津町で開かれた。全国から約50人が参加した。
冒頭、南会津農村生活体験推進協議会会長の渡部龍一氏が登壇し、開催地歓迎のあいさつを行った。総会では、「新型コロナウイルス対応のアンケート調査の結果発表」「2021年以降の受け入れ対応」「全国フォーラムの開催」などについて意見が交わされたほか、新たな加盟組織として滋賀県の東近江市観光協会の入会が承認された。
現在のコロナ禍の中、各団体は厳しい状況に置かれており、「現状が続けば、組織継続が厳しい」「受け入れを中止している」と苦境を訴える声があった一方で、「ピンチはチャンス。高価格、高付加価値の企画を開発し、より知的好奇心の追求、ほんもの体験にシフトさせる」などの前向きな意見もあった。
来年3月の開催を模索していた第16回「全国ほんもの体験フォーラムin南信州・長野」は延期が決まった。また、全国ほんもの体験ネットワーク・全国教育民泊協会のホームページが総会開催当日の5日に開設されたことが報告された。
オブザーバーとして参加していた日本自動車連盟(JAF)の事業推進本部長、池田義則氏は、JAFが行っている地域振興の取り組みを紹介した。JAFでは、地域へのドライブ旅行を促進しており、10月末時点で全国610の自治体と観光協定を締結している。イベントや体験ツアーなどを企画し、約1973万人に上るJAF会員にドライブ旅行を促している。
総会では、次回の全国ほんもの体験ネットワーク総会の開催概要も報告された。場所は奈良県の大和飛鳥地域で来年7月17日の開催。総会と併せてコーディネーター研修会、エクスカーションツアーを行う。
福島県会津町で開かれた総会