リクルートライフスタイルは、日本人の国内宿泊旅行の実施率や回数を伸ばし、登録宿泊施設への宿泊予約を増やそうと、宿泊予約サイト「じゃらんnet」の会員向けに新たなプログラムの導入を目指している。旅行頻度などに応じた会員ランクを設定する方向で検討し、旅行促進に有効な特典の提供の仕方を工夫する。詳細は検討中だが、来年4月のスタートを予定する。
「じゃらん宿泊旅行調査」では、2017年度の日本人の国内宿泊旅行の実施者の年間旅行回数は平均2.78回でこの10年間ほぼ横ばい。実施率は55.6%で、10年度以降は60%に満たない水準で推移している。じゃらんnetの17年度の国内宿泊予約流通取扱高は前年度比約2%増の8731億円と伸びているが、国内旅行市場の総旅行回数の増加、実施率の向上を課題と捉えている。
会員向けの新プログラムでは、旅行頻度などに応じた会員ランクを設定し、属性ごとに旅行を促すポイントやクーポンの提供の在り方などを検討中。旅行に積極的な層には旅行回数のさらなる増加を促す特典を提供したり、旅行に消極的な層にはグルメやレジャーなどの旅行の動機付けとなる特典を工夫したりする。
新プログラムについて同社執行役員旅行領域担当の宮本賢一郎氏は、5日に東京都内で開かれた「じゃらんフォーラム」で、「若者にフォーカスしたマジ部(19歳のスキーリフト代を無料にする『雪マジ』など)のような需要創出にチャレンジしているが、加えて今後は、旅行に行く人の頻度を高めることで、国内総旅行回数を増加させ、観光市場を活性化させたい」と説明した。
新プログラムの導入を控え、会員の旅行頻度などに応じてポイントを増やすキャンペーンも近く実施する予定。会員の反応などを分析し、新プログラムに反映させる。
新施策などを発表した「じゃらんフォーラム」
執行役員の宮本氏