【食と観光 訪日客4000万人時代の和食 22】訪日客の90%が日本食を経験 リピート時で割合減に心配 国際観光日本レストラン協会 副会長 平塚 武


 2017年、インバウンド旅行者は2869万人に達し、現在なお増加傾向にある。

 1964年の東京オリンピックの年はわずか35万の訪日外客数で、信じられないほどわずかな数だった。この54年間で84倍と驚異的な増加となっている。

 増加した要因はさまざまあると考えられるが、国の積極的なインバウンド誘致の施策の実行、国とともに民間も共同歩調を取り、国民一人一人が日本の素晴らしさ、そして良さを訴えてきた結果が実ってきたものと思われる。

 私ども飲食に携わる者にとって、JNTOのアンケート調査は大変興味深く、うれしい結果であるとともに、心配な面もある。訪日主要国の訪日前に期待していたことは、いずれの国も第1位は日本食を食べることであり、64~80%に上る多数の方が期待している。結果90%以上の訪日客が日本食を食し、経験している。

 この方々が次回の訪日旅行でしたいことの回答結果では、日本食を食べることが第1位であることに変わりはないが、その比率は10%以上落ちて、55~70%になっている。

 食べた内容の詳細は不明だが、食べてみた結果、割合が落ちていることは、期待に反し、期待以下であったと感じる人が10%以上あったことになる。

 一般に訪日客が理解し、食べている日本食は、ラーメン、すし、てんぷら、焼き鳥など、世界中に広がり有名な料理が主であると思う。

 日本は何を食べても衛生的で、スタンダード以上のおいしい食事を食べることができると思うが、日本食は奥が深くまだまだ素晴らしい食べ物があることを見つけていただき、味わい、日本の食文化を経験していただきたいと思う。(続く)

(国際観光日本レストラン協会副会長、平塚武)

 
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