【速報】ホワイトベアーファミリーが倒産 負債351億円 星野リゾートが支援へ


 ホワイト・ベアーファミリーは6月30日、民事再生法の適用を申請した。負債総額は351億円。2020年4月に民事再生を申請した、同社の関連会社でホテル受託運営のWBFホテル&リゾーツの負債約160億円を上回り、負債総額は今年最大。新型コロナウイルス関連倒産としても最大の負債額となった。WBFグループ3社(ホワイト・ベアーファミリー、WBFホールディングス、WBFホテル&リゾーツ)に対しては、星野リゾートが支援を表明している。

帝国データバンクは、次のように伝えている。

(株)ホワイト・ベアーファミリー(資本金8375万円、大阪市北区豊崎3-14-9、代表島田篤氏)と、グループ会社のWBFホールディングス(株)(資本金1000万円、同所、代表近藤康生氏)は、6月30日に大阪地裁へ民事再生法の適用を申請し、同日同地裁より監督命令を受けた。

当社は、1977年(昭和52年)創業、81年(昭和56年)5月に法人改組。「しろくまツアー」「ジオツアー」の名称で、インターネットを活用した旅行ツアーの企画販売を手掛け、一部高速バスやレンタカーの予約サイトの運営も行っていた。国内旅行は特に北海道や沖縄などのリゾートに強く、海外旅行を取り扱う「ハッピーホリデー」は中国・香港・バリなどアジア圏を得意としていた。設立当初から安さを売りに学生や若年層を取り込み、その後もウエディングツアーやファミリー旅行などターゲット層を拡大して事業を伸長。さらに日本各地の営業所開設に加え、グループ会社を次々に設立することでWBFグループを形成していた。近年はインバウンド客を取り込み、ホテル事業にも参入して急速に業容を拡大し、2019年3月期には年売上高約207億4000万円を計上していた。

2019年に同事業をグループ会社に移管して以降もインバウンド客への対応を積極的に行っていたものの、今年に入り新型コロナウイルスの感染拡大の影響で渡航制限が出されたことで旅行事業、ホテル事業ともに売り上げが悪化する事態が発生。このため、一部ホテルは休業を余儀なくされたことで、グループ全体で収益も急激に悪化。

さらに、国内でも外出自粛の影響に伴って学生の卒業旅行や春休みのツアーなどのキャンセルが相次いだことで、受注が激減し苦しい経営を強いられていた。3月には金融機関に対して借入金の返済緩和を要請していたものの、新型コロナウイルスの感染拡大の収束が見えないなか、4月27日にグループ会社のWBFホテル&リゾーツ(株)が大阪地裁へ民事再生法の適用を申請。グループ全体でスポンサーを探すなど経営の立て直しを図っていたものの奏功せず、ここへ来て民事再生法による再建を図ることとなった。

3社は、6月30日、(株)星野リゾートとの間でスポンサー就任についての基本合意書を締結し、今後、事業を継続し、再建をすすめる。

なお、(株)ホワイト・ベアーファミリーの営む事業には旅行業があるものの、今回の民事再生法の適用を申請したことによる旅行申込者に及ぼす影響はなく、事業を継続していく。

負債は申請時点で、ホワイト・ベアーファミリーは債権者約160名に対し約278億円、WBFホールディングスは債権者約20名に対し約73億円、2社合計で約351億円。

WBFリゾート沖縄(株)(沖縄及び九州におけるホテル運営業)、その他の関係会社は、法的手続はとっておらず、従前どおり、通常の営業を続けている。

 
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