東日本にいるからなのか、来年春から開催される「大阪・関西万博」(4月13日~10月13日の184日間)の熱気がなかなか伝わってこない。前回、1970年の大阪万博の時とは対照的だ。
大阪万博は日本で初めての万博開催。世界各国が参加して国・地域の文化、芸術、産業、技術などが展示された。月の石や人間洗濯機など、人々の関心を集めるものも数多く、未来のニッポンに希望を持たせた。
大阪・関西万博は「いのち輝く未来社会のデザイン」というのがテーマだが、どうも分かりにくい。加えて、パビリオンの建設の遅れや建設費の高騰など、マイナスな報道が多いのも盛り上がらない要因か。
そうした中、明るい話題といえそうなのが、会場である人工島・夢洲に建てられていたシンボルの大屋根「リング」が一つにつながったことだ。1周約2キロ、高さ約20メートルの世界最大級の木造建築物である。今後は植え込みやトイレなどの整備が進められ、2月には完成する見通し。
リングは約2万7千平方メートルの国内材などが使用され、木材の接合部は清水寺の「清水の舞台」でも用いられる伝統工法「貫(ぬき)」を金属ボトルなどで強化し、現代風にアレンジしたという。
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