【観光業界人インタビュー】Hotels.com アジア・パシフィック最高経営責任者 ヨハン・スヴァンストローム氏


Hotels.com アジア・パシフィック最高経営責任者 ヨハン・スヴァンストローム氏

世界一の宿泊予約サイト

旅館の販売を拡大したい

──ホテルズドットコムは世界最大のオンライン旅行会社、エクスペディアのグループ会社だが、事業内容で競合しているのではないか。

 「エクスペディアグループは世界70カ国でオンライン旅行事業を展開。全9ブランドのうち、エクスペディア、トリップアドバイザー、ホテルズドットコム、ベネーレドットコム、エクスペディア・アフィリエイトネットワークの5サイトがすでに日本人向けサイトで営業している。エクスペディアは総合的な旅行予約サイトだが、ホテルズドットコムはホテル予約に特化。利用者は検索サイト経由で旅行予約サイトに入ってくることが多いが、複数ブランドを展開することで、利用者との接触機会が増え、全体の予約ボリュームは拡大する」

──ホテル予約の実績はエクスペディアとホテルズドットコムのどちらが勝るのか。

 「公開していないが、きっこうしている」

──エクスペディアグループの事業規模は。

 「09年の宿泊取扱額は約218億ドル(2兆円)。従業員は8050人。ホテル予約件数は月間6千万件だ。毎月7500万人がエクスペディアグループのサイトを訪れる。毎日、75万人が航空券購入を、50万人がホテル予約を、そして5万人がレンタカー予約を行う」

──ホテルズドットコムの特長は。

 「予約できるホテル数は12万軒。現地の人が使いやすいように各国語でサイトを構築、運営している。ローカライズ(現地化)しているサイトの数は52種類。実際にホテルに宿泊した人のユーザーレビュー(口コミ)は180万件を超えている」

 「宿泊予約はオンライン以外にコールセンターでもできる。日本ではフリーダイヤルで日本人オペレーターが対応。朝7時から深夜1時まで年中無休で受け付けている」

 「『最低価格保証』を行っている。もし別サイトの方が安ければ同じ価格で提供する。差額の返金対応もする」

──日本の旅行市場に魅力はあるのか。

 「日本の旅行ビジネスの市場規模は米国に次ぐ世界2位。ホテルズドットコムの日本進出は08年だが急成長している。ホテルズドットコム・ジャパン(http://jp.hotels.com/)の10年5月の実績は前年同月比150%。また09年の日本のホテルの予約数は前年比200%。つまりインバウンドが2倍になった」

──旅館の予約実績は。

 「契約軒数自体がまだ少ないので実績数字は小さいものの人気は高い。旅館は他国では決して味わえないユニークな宿泊施設だ。私自身も先日家族で京都や箱根の旅館に宿泊したが、ホテル宿泊にはない体験ができた」

 「ホテルズドットコム・ジャパンに担当営業を置いて、旅館・ホテルとの契約拡大を図っている。チェーンホテルの場合は本部と契約すれば一気に契約軒数を増やすことができる。一方旅館はオーナー経営が多く、1軒1軒訪問して説明し、契約するという地道な努力が必要だ。ただ旅館にはそれだけの価値がある」

 「旅館の使い方はホテルとは異なる。各国のコールセンターのオペレーターが旅館について説明をできるように現在トレーニング中だ」

──アジアパシフィック地域の責任者ということだが、39歳と若い。

 「インターネット企業の特徴だろう。ホテルズドットコムのデイビッド・ロシェ社長は41歳。エクスペディアの社長は42歳だ」

【ヨハン・スヴァンストローム】
 マクドナルドなどを経て、07年にHotels.com入社。中国2位のオンライン旅行会社eLongの理事も兼務。ストックホルム大学経済学部MBA。39歳。

Hotels.com アジア・パシフィック最高経営責任者 ヨハン・スヴァンストローム氏

 
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