1人当たりCO2排出量という考え方があります。ではまずなぜCO2排出量なのでしょうか。現在は、地球温暖化防止のために脱炭素を目指すということでいろいろなエネルギー使用量をCO2排出量に換算しています。旅館・ホテルで使用されるエネルギーとしては、主に電力、灯油や重油などの油類、LPGや都市ガスなどです。各施設では、毎月あるいは年間に電気代をいくらぐらい払っているとか、ガス代はこのくらいとか、ある程度把握していると思います。
しかし、電力使用量が何kWhとか、灯油使用量が何キロリットルとか、ガス使用量が何立方メートルとか、燃料の使用量は、単位が違い他と比べて多いとかなかなか比較し難く、把握できていないと思います。そこで従来からよく用いられているのが、石油(原油)換算で何リットルという方法ですが、これと同様にエネルギー使用に伴うCO2排出量に統一することにより各燃料の使用量の大小、比較ができるようになります。表―1はある施設のエネルギー使用量と1人当たりCO2排出量です。A旅館ではガスのCO2排出量は他の燃料に比べて少なく、灯油のCO2排出量が一番多いので、まず灯油使用量を少なくすることによりCO2排出量削減に努めようということになります。
ではなぜ1人当たりなのでしょうか。
会員向け記事です。