【特集・東日本大震災から8年】震災の記憶、風化を防ぐ 東北4県と東京都がフォーラム


モデルの武田玲奈さんを交えたトークセッション

復興へ新たな取り組みも紹介

 東日本大震災の記憶の風化を防ごうというイベントが2月10日、東京都内で開かれた。福島県の内堀雅雄知事をはじめ、東北4県の関係者が復興への取り組みを語ったほか、物産販売、工芸品の製作体験などの各コーナーで東北各地の魅力をアピールした。

 イベントは東京都と、青森、岩手、宮城、福島の東北4県の実行委員会が主催する「復興応援・復興フォーラム2019in東京」。東京国際フォーラム(東京都千代田区)を会場に、一般消費者らを集めて行った。

 オープニングには福島県の内堀知事と、東京都の小池百合子知事、渡辺博道復興相が登壇。内堀知事は「震災から間もなく8年。東北の復興は着実に進んでいる一方、難しい課題も抱えている。解決のため、東北のメンバーは心を一つに挑戦を続けている。一番の力になるのは皆さまの応援だ。温かい応援を背に、未来に向けてがんばる」とあいさつ。

 小池知事は「都は延べ3万人を超える職員を東北に派遣し、支援を行ってきた。今も56人の職員が現地でサポートしている。来年のオリンピックの聖火リレーは福島県からスタートする。これは(復興の)一つの象徴だ。競技は福島県で野球とソフトボール、宮城県でサッカーが行われる。スポーツを通じ、被災者の方々が元気を取り戻してくれれば」と述べた。

 渡辺復興相はイベント前日から放送された復興庁のテレビコマーシャルを紹介。「福島について『知ってもらう』『食べてもらう』『来てもらう』ことが趣旨。多くの人に見てもらいたい」と述べた。

 スペシャルゲストとして福島県いわき市出身のモデル・女優の武田玲奈さんがトークセッションに参加。「食べ物がおいしく、温泉もいい。海水浴、トレッキングも楽しめる」と地元の魅力を語ったほか、6月1、2日に福島市で開かれる「東北絆まつり」に触れ、「東北の魅力がぎゅっと詰まった祭り。6月は絆まつり、8月は各地の祭りの本番に来てほしい」と呼び掛けた。

 東北4県の関係者は復興に向けた「新しい取り組み」を語った。青森県は八戸ハマリレーションプロジェクトの早狩昌幸幹事が同県八戸市で毎年冬に行っている「八戸ブイヤベースフェスタ」、岩手県は三陸鉄道の中村一郎社長が「震災学習列車」などイベント列車の運行、宮城県はリボーンアート・フェスティバル実行委員会の松村豪太事務局長が同県石巻市で2017年から行っている食と音楽と現代アートの総合展「リボーンアート・フェスティバル」の各取り組みを語った。

 福島県からは同県の復興を支援するデザイナーのコシノジュンコ氏が登壇。コシノ氏がデザインした食器やろうそくなど、同県の工芸品の制作事例を述べた。

 場内には赤べこ、起き上がり小法師など東北の工芸品の製作体験コーナーが設けられ、多くの来場者が楽しんだ。各県の物産と郷土料理の販売コーナーには長蛇の列ができた。

モデルの武田玲奈さんを交えたトークセッション

郷土料理のコーナーに各県のゆるキャラが登場


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