【旅行会社トップの年頭所感】波乱の年こそ「安定」を 読売旅行社長 貞広貴志


貞広社長

 2024年の年明けに当たり、ご挨拶申し上げます。新年早々に発生した能登半島地震と事故により、被害に遭われた皆さまに、心からお見舞い申し上げます。

 弊社でも元日以降、ツアーに参加してくださった方々の安全確認に加え、代替のホテルや輸送機関の手配、キャンセル対応などに追われ、全く正月気分のない年初となりました。幸いにもお客さまや社員に身体的な被害が及ぶ事態は避けられましたが、改めて旅の安全を確保する重要性を痛感する機会となりました。

 こうして波乱含みの幕開けとなった2024年は、「安定」の年にしようと決意しています。

 2020年以来のコロナ禍では、旅行需要が激しく上下し社員を出向させたり、急きょ宣伝を中止したりと、常に危機対応に追われてきた気がします。Go Toトラベルや全国旅行支援など政府・自治体の需要喚起策はとてもありがたかったですが、キャンペーン期間内での刈り取りに追われ、中期的な販売施策に狂いが生じた面は否定できません。急な受注増でコールセンターなどの人手が足りなくなり、別の職場から応援を出す運用を迫られる局面もありました。

 安定した旅行需要が見込める今年は、より先をにらんだ計画を立て、宿泊・立ち寄り施設には安定して送客し、安定した収益を上げることを目指します。

 振り返るとコロナ禍が始まった2020年からの4年間、さまざまな新しい試みを手がけました。親会社の読売新聞とのコラボで始めた超プレミアムな「竜王戦観戦ツアー」が評判を呼んだり、全国の自治体と連携した観光振興事業が高い採択率を記録したりと、一定の成果を上げました。一方で、新発売した商品群が、今のところ期待したほど集客できていないなど、すべての新施策が成功したわけではありません。今年は、当社の強みと部門ごとの成否を見極め、安定した収益を上げられる事業に人と予算を手厚く振り向けていきます。

 読売新聞は、今年創刊150周年を迎えます。帝国データバンクの調べでは、今年10年刻みの周年を迎える企業は13万社以上あるそうですが、150周年は129社しかありません。「安定」は、目標としてはパッとしない言葉ですが、変化と先行き不透明の時代に、安定して事業を存続・発展させることは難しいことを改めて実感しています。読売グループ各社や読売旅行協力会の会員の皆さまなどパートナー事業者の方々と力を合わせ、観光業を盛り上げていきたい。24年の年頭にあたり、そう切に願っています。

 
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