【新春特別座談会】旅行業4社トップ座談会 JTB×KNT-CTホールディングス×日本旅行×東武トップツアーズ

  • 2019年1月2日

「新時代の観光」旅行業の力で活性化を

 2019年、そして平成最後の年の幕開け。今年の旅行業界はどんな1年になるのだろうか。本紙新年号恒例の旅行業大手4社トップ座談会。JTB、KNT―CTホールディングス、日本旅行、東武トップツアーズの各社社長にお集まりいただき、その展望を語ってもらった。司会は、本社編集長の森田淳。【東京・紀尾井町の「福田家」で】

18年の旅行市場を振り返る

 ――(司会)まず、2018年の振り返りを。

JTB社長 高橋広行氏

 髙橋 国内旅行は近年にないアゲインストの風が吹いた1年だった。豪雨、地震、台風と、とにかく自然災害が続いた。

 われわれ旅行会社も被害を受けたが、旅館・ホテルさんをはじめ観光事業者の皆さんも同様に大きなダメージを受けた。「ふっこう割」などもでき、今はそのリカバリーの途上にあるのだと思う。

 災害というものに対して、われわれは異常ではなく、通常だと捉えて、それを前提に事業を進めなければならない。

 自然災害以外のことでは、いわゆる民泊新法が施行された1年だった。民泊はこれから市民権を得て、ある程度定着すると見なければならない。そういうことも前提にしなければならない。

 弊社のことに限って言うと、18年は大きな改革の初年度。その改革を粛々と進めることに今は専念している。

KNT-CTホールディングス社長 丸山隆司氏

 丸山 私どもも自然災害が大きく影響した。18年度中間決算では、災害の分だけ数字が欠落した。19年もこうした自然災害が起きないとは限らない。普通にあってしまうのではないかという恐れがある。

 われわれ近鉄グループは大阪が拠点だ。関西空港が被災した映像が日本中や世界中に流れ、気持ちの上でも相当ダメージを受けた。

 会社のことで言うと、われわれは17年から事業構造改革を行い、近畿日本ツーリストとクラブツーリズムの一体化を進めている。その一環として、このほど二つの本社機能を同じビルに置き、本店登記もその場所に変えた。名実ともに一緒になってやるのだ、という形になった。ウェブサイトと顧客データベースも別々にあるのだが、19年度中に統合させる。既にめどが立っている。これは明るい話題だ。

日本旅行社長 堀坂明弘氏

 堀坂 2人がおっしゃるように、災害については起こるものとして捉え、体制を構築していかなければならない。お客さまへの非常時の対応や安否確認など、危機管理はリアルエージェントが持つ大きな存在価値であり、ここは絶対に外してはいけない。

 今回、災害が起き、空港が閉鎖された。これにより特にインバウンドの客足の伸びに影響が出た。インバウンドは外的要因で数字が上下変動する。

 ただ、長期的観点から考えれば、目の前の数字に一喜一憂するのではなく、継続的に受け入れ態勢や、非常時のフォロー態勢を構築していかなければならない。受け入れの質の向上に取り組むことは、国内旅行の需要喚起にもつながる。

 18年は旅行業法が改正され、ランドオペレーターの登録制度が始まった。既にJATA(日本旅行業協会)が品質認証制度を進めており、法律が後追いした格好だ。民泊の話もそうだが、今までのグレーな部分を法律の下、しっかりと監視できるようになったのは大きい。

 会社は中計(中期経営計画)の折り返し地点。ビジネスモデルを転換し、インバウンドやMICE、教育旅行など中核分野を伸ばすという計画について、少しずつだがしっかりとした手応えを感じている。毎年一定の成果が出ているのがこの分野だ。

 

東武トップツアーズ社長 坂巻伸昭氏

 坂巻 皆さんと同じく、やはり自然災害が大きかった。ただ、それを言い訳にしても始まらない。災害があることを前提に、事業をどう進めるかを考えなければならない。

 お客さまが楽しく、災害や事故のリスクを気にせず旅行をできるようにするため、われわれ旅行会社はお客さまの安心安全を担保しなければならない。そんなことを痛切に感じた1年だった。

 東武トップツアーズになって19年で5年目になる。スタートの時に私は、1足す1が2では駄目、1足す1が2以上になる会社を目指すのだと口酸っぱく言ってきた。数字的にはなかなか難しいが、ただ、社員のマインドとして2以上のものが醸成されてきたという実感はある。

 従業員は旅行業にとって一番の財産だ。働き方改革が叫ばれる中、私どもは従業員がしっかりと、そして納得をして働ける環境をつくらなければならない。これからの旅行業界を考えて、非常に重要なことだ。

 髙橋 改めて認識したのは、何か災害が起きた時に、われわれ旅行業の役割は極めて重要で、その取り組みが効果的であること。周囲の期待も高まっている。国もふっこう割のような制度をすぐに作り、「さあ、旅行業界頼むよ」という動きになった。

 被災地の復興に向けた取り組みを行う産業の中で、ツーリズムは恐らく一番のフロントランナーだ。それも非常に即効性がある。

 旅行業は平穏で平和でなければ成り立たないといわれるが、被災地に活力をもたらすのも旅行業だ。

 坂巻 今までの旅行業は受け身の部分が強かった。つまり、お客さまのニーズがあって動くということ。しかし、被災地への取り組みも含めて攻めの部分が強くなってきた。

 堀坂 そのような重要な役割を担う旅行業は、物作りとともに、今や日本の基幹産業に位置付けられると、外部からも評価されるようになった。

 坂巻 ただ、ふっこう割でお客さまが増えるのはよいが、その後につなげることが大切だ。安い料金で行けて、それで終わりということになってはいけない。旅行会社はしっかりとフォローをしなければならない。

19年の旅行市場を展望

 ――19年は旅行業界にとってどんな1年になるか。

 髙橋 自然災害は予測不能で分からないが、考えられる限りでは、良い材料がそろっている。最たるものはゴールデンウイークの10連休だ。ただ、10月に消費税の増税を控えている。プラスマイナスにどう動くか。19年度の営業は、上期に趨勢(すうせい)が決すると思う。

 19年は日本にとって、MICEイヤーでもある。G20大阪サミットやラグビーワールドカップ、UNWTO(国連世界観光機関)とユネスコの国際会議、アフリカ開発会議。そして即位の礼の式典もある。いずれも国を挙げて対応すべき事業だ。

 日本の魅力を世界に発信するという意味では、ラグビーワールドカップは大きなチャンスだ。1カ月半にわたり、全国12カ所で分散開催される。地方に開催が及ぶので、地方の魅力を観戦に訪れた人たちに知ってもらう絶好の機会になる。

 この機会を最大限に利用すべきだ。各地方の皆さんも地域の情報発信、受け入れ態勢の整備をさらに進めていただきたい。

 わが社については改革2年目に入るわけだが、改革をさらに加速させて、実をあげていきたい。

 丸山 東京オリンピックのチケットが発売になる。スポンサーのわれわれとしては、どう商品化をして、お客さまに当社グループのことを知っていただくかだ。

 特に地方の方々に対しての認知度を上げることが19年の会社としての一つの目標になっている。近畿日本ツーリストとクラブツーリズムが同じ会社であることを、まだ十分に理解いただけていない。加えて、クラブツーリズムは首都圏での知名度は結構あるのだが、地方ではまだまだだ。

 堀坂 元号が変わる年だ。「平成最後の」というテーマで、さまざまなアイデアが生まれるだろう。逆に、新しい元号に照準を合わせた商品もできるはずだ。今回は慶事であり、旅行会社としても大きなチャンスだ。例えば、当社は富裕層の個人旅行へのアプローチはまだ他社の後塵を拝している部分があるが、このようなロイヤルイベントなどには敏感に反応される市場だと考える。これらも含め社内には積極的な取り組みを指示しているところだ。

 消費税率アップについては消費マインドを冷やさない工夫が必要だ。政府の取り組みなどとも連動しながら会社として取り組んでいきたい。

 わが社は今年中期経営計画の3年目に入る。計画を立てた際の想定以上に変化している分野もあり、適宜修正をしながら達成に向けて取り組みたい。

 坂巻 髙橋さんがおっしゃるように、MICE案件が非常に多い。オリンピックに関して言えば、20年に限らず、19年も視察を含めていろいろな形で人が動くだろう。

 私どもは収入の6割強が団体だ。非常に重要な年であると認識している。

 国や地方自治体のツーリズムに対する意識が変化している。インバウンドで、あるいは国内旅行で人を呼んで、地域を元気にしたい、という思いが非常に強くなった。

 地方で講演をすると、どうしたらもっと人を呼べますかという質問をされる。答えとしては、決して何か新しいものを作らなければならないということではない。その地域が何を売りにするのかを、地域みんなで考えることだ。自然、文化など、テーマはいろいろある。

 MICEで訪れるお客さまもMICEだけをしに来るのではない。ビフォアMICEやアフターMICEで何ができるかをしっかりと提案することだ。

 髙橋 消費税増税時に検討されているプレミアム商品券。旅行でも使えるように業界挙げて、JATAを中心に働きかけるべきだ。お得感があり、増税によるマイナスがかなり緩和される。

 坂巻 地域を元気にするという観点でも、旅行は効果がある。

 髙橋 旅行は被災地の復興支援や訪日インバウンドの拡大にも貢献している。消費税増税の消費落ち込み防止対策として自動車や住宅が優先される傾向があるが、旅行の果たす役割やもたらす効果もしっかり認識してもらいたい。

 インバウンドに関していえば、空港の白タク。あらゆるところで横行している。これは由々しき問題だ。

 堀坂 民泊もそうだが、違法は看過できない。日本の観光全体の品質にも関わる問題だ。

 髙橋 インバウンドの最大の問題は、これだけ多くのお客さまが日本に来ているのに、われわれ日本のエージェントがほとんど関与できていないことだ。加えて白タクの問題。しっかり取り締まってもらいたい。

旅行業を取り巻く環境

 ――旅行業を取り巻く環境が劇的に変化している。それぞれの会社にとっての喫緊の課題と対策は。

 坂巻 OTA(オンライン・トラベル・エージェント)の台頭など、お客さまにとっての選択肢が増えている。その中でわれわれは選ばれなければいけない。

 そのための一つは「こだわる」ということ。文化、食、スポーツ、自然と、さまざまなテーマがある。必ずしも高級というわけではないが、深く関わり、こだわった商品を作っていきたい。

 先日、折り紙協会に行ってきた。最近、外国人で勉強する人が多いという。日本を代表する伝統文化の一つだが、外国人から見ても、魅力を感じるという。ほかにも独楽(こま)や凧(たこ)など、外国人に受けそうな素材が多い。食についても、地域に根差したものがたくさんある。そんな何気ないものにこだわり、スポットを当てることが差別化につながるはずだ。

 堀坂 OTAの台頭やサプライヤーの直販化など、個人旅行分野の環境が厳しさを増している。販売拡大を目指した海外を含めた同業他社との連携やお客さまのニーズに合った商品提供を行うための異業種との連携も進めている。中長期的に見て、リアルエージェントとしての個人顧客との向き合い方を、店頭のあり方も含め議論をしているところだ。

 先ほど少しお話しした中期経営計画では、教育旅行、MICE、BTM、インターネット販売、インバウンドを中核分野に据え、強化を図っている。
さらに地方創生事業にも力を入れ、各地で実績を上げている。

 これらの分野を着実に伸ばしていくことが最重要課題であり、選択と集中をもって要員と資金を投下し、さらなる実績拡大につなげたい。

 丸山 近畿日本ツーリストとクラブツーリズムの一体化が引き続き課題だ。二つの側面がある。一つは仕入れと企画造成、もう一つは販売。

 販売面では、例えば個人旅行商品はパンフレットを作り、店頭のみで長年、販売をし続けていた。一方、それだけでは駄目だとクラブツーリズムをつくり、カタログとメディア販売という新しい販売チャネルを利用し始めた。

 さらにウェブという販売チャネルが出てきた。ウェブに関しては10年前から力を入れてきたが、想定を超えるスピードで環境が変化し、今は若干の遅れが否めない。リアルに傾注しようかとの意見もあったが、全てのチャネルを利用して販売するのが商売の基本だ。缶やペットボトルのお茶だってコンビニに卸すし、その隣にある自動販売機にもスーパーにも置くわけだ。

 リアルとメディアとウェブ、それぞれの強みを生かしてお客さまに対応する。

協定旅館ホテル連盟との関係

 髙橋 OTAがマーケットのニーズを捉え台頭しているというのは動かしがたい事実だ。それはそれで受け止めなければいけない。

 われわれは、今までOTAは競合相手という見方をしていたが、今は組むべきところは組む、競争すべきところはすると、協業相手であり、競合相手でもあるというスタンスだ。

 われわれはリアルエージェントとして、店頭、渉外、メディア、コールセンターと、多様な販売チャネルをそろえ、お客さまに選択していただくというマルチチャネルの戦略をとっている。ウェブもその中の一つだ。

 ただ、世の中は間違いなくFIT化し、ウェブ化している。これに対応する意味で今、私どもは大きな商品改革を進めている。一言で言うとダイナミックパッケージ化だ。

 従来型のパッケージ商品の販売ウエートが落ちている。コースも固定、価格も固定という固定的な商品が通用しなくなっている。ホテルもエアーも需給バランスに応じた価格をその都度設定している。それらを組み合わせて販売するダイナミックパッケージを弊社においても国内、海外ともに進めている。

 リアルエージェントとしての存在価値をどう出すか。価値の一つはコンサルティング力だ。いかにお客さまに寄り添い、かゆいところに手が届くサービスを行うか。

 商品面では企画力だ。何の企画性もない、コモディティーの商品を追っている限りはOTAには対抗できない。弊社にはエースという国内旅行ブランドがある。一定の企画性を持った商品でないとエースにはしないという考えのもと、企画商品の強化を図っている。

 今回の経営改革でやろうとしているのはソリューションに大きくかじを切ること。決して脱旅行業ではないが、お客さまが抱えるさまざまな課題について、解決する手段の一つが旅行ではあるが、それ以外のこともしっかり提案できる会社になることだ。これは会社100年以上の歴史の中でも大きな転換だ。

 旅行商品を売っている限りは価格競争に必ずさらされる。しかし、ソリューションということでいえば、その価値を認めてもらえればそれなりの価格で販売できるし、課題というのは世の中に無限にある。旅行の販売だけにこだわっていては、人口減少でマーケットがシュリンクするのは目に見えている。

 ――協定旅館ホテル連盟との関係をどう認識し、今後、どのような関係を築いていくか。KNT―CTは19年に新体制がスタートする。

 丸山 現在、近畿日本ツーリストには近旅連(近畿日本ツーリスト協定旅館ホテル連盟)と、観光施設や運輸会社機関が加盟するひまわり会(近畿日本ツーリスト全国ひまわり会)、クラブツーリズムにはパートナーズ会(クラブツーリズムパートナーズ会)という三つの組織があるのだが、19年度からは宿泊施設、観光施設、運輸会社が分け隔てなく加盟いただく「KNT―CTパートナーズ会」を新設し、この4月からスタートする。

 事業構造改革で近畿日本ツーリストとクラブツーリズムの一体化を図っているのだが、それぞれにある組織も一体化するのはある意味自然なことだ。
会員の皆さまに趣旨を説明したところ、ご理解をいただき、スタートに向けて準備が順調に進んでいる。

 現在、近畿日本ツーリスト側、クラブツーリズム側それぞれ二つの組織に加盟している会員も結構いらっしゃるが、新しい組織は相当大きな組織になる。多くの皆さまのアイデアをいただき、OTAに負けない価値ある商品を会員の皆さまと一緒になって作っていきたい。

 坂巻 以前からお話ししている通り、協定旅館ホテル連盟、協定運輸観光施設連盟の皆さまと会社は車の両輪であることは間違いない。どちらかが先に行ったり、大きくなったりでは車は前に進まない。ともに成長をしていかなければならない。

 地域と会社の関係を深めるためにも、連盟の皆さまとの連携が必要だ。

 私は常々、連盟の皆さまとはハードではなく、ソフトとしてお付き合いをしたいと考えている。会員がどんな施設かということももちろん重要だが、両者が一体となって事業を進めるためには人間関係が何より重要だ。

 旅館・ホテル業界で世代交代が進む中で、若手経営者の皆さまとは年に1回、われわれ経営陣とざっくばらんな交流会を行っている。会社にどんなことを望んでいるのか、きたんのない意見を聞いている。毎回、あっと気付かされることがある。

 堀坂 日旅連(日本旅行協定旅館ホテル連盟)と会社は以前から肝胆相照らす関係が築かれている。これは私たちの伝統であり財産だ。若い世代の会員で構成する営業推進委員会では、われわれ会社と多岐にわたるテーマに沿った議論を行っているほか、親睦会などを通して、それこそ「同じ釜の飯を食って」腹を割った意見交換をし、お互いのウィンを目指している。

 日旅連塾という若手経営者の勉強会も行い、私も講師として参加して会社や業界の環境や課題などについて話し合っている。

 さらに近年は会員施設と会社の若手セールス担当者との商談会「ワークショップ」も東京、大阪ほか、九州など各地で行っている。

 今後、その関係性をさらに深化させていきたい。

 日旅連との議論の中では、最近「民泊」に関するものが多い。違法なものは論外として、私が一貫して話しているのは、地方では大都市圏とは異なり、旅館・ホテルのキャパシティーが十分にあるということ。民泊の普及よりも、お客さまを地方に分散させる方が先だ。日本は公共交通機関が発達している。うまく利用して、地方のキャパを埋めるべきだ。これはオーバーツーリズムの解消にもつながる。

 地方の旅館では後継ぎがいなかったり、外資に買われたりと、さまざまなことが起きている。旅館は「おもてなし文化の最前線」であり日本の文化そのものであることから、その文化に触れて日本を知ってもらう絶好の機会でもある。そのような場所が失われるのはやはりもったいない。

 髙橋 JTB旅ホ連(JTB協定旅館ホテル連盟)は今までも今後も、われわれにとって最大にして最重要のパートナーであることは間違いない。

 ただ、その関係性を今、見直そうとしている。ストレートな言い方をすると、旅ホ連に入っていれば、あるいは一定の在庫を提供していれば、客室が一定程度売れる。もう、そんな時代ではないということだ。客室を売るために、双方が知恵を出さなければならない。「ならではの価値」を持った、企画性のある商品を一緒に作りましょうと、今、旅館・ホテルさんに申し上げている。

 もう一つは、地域にお客さまを呼び込むための、着地型のコンテンツを一緒に考えましょうということだ。われわれは地域交流事業と呼んでいるのだが、そのような発想が今までなかった。

 今は地域間競争の時代だ。旅館単独でお客さまを呼び込むのはなかなか難しい。旅館にお客さまを呼び込むために、まず、地域にお客さまを呼び込むことを一緒にやりましょう、着地型の営業をしっかりやっていきましょう、ということに取り組んでいる。

 坂巻さんが旅館・ホテル経営者の世代交代の話にふれたが、次世代を担う若手経営者は従来の価値観にこだわらず、合理的な志向が強い。旅ホ連という組織に所属することの意義をしっかり伝えないと、離れていってしまう。そういう意味でも、コミュニケーションをしっかりとらなければならない。弊社も若手経営者の方々と年に数回、コミュニケーションをとる機会を持ち、関係性を構築している。

社長のプライベートを聞く

 ――プライベートの話を。休日の過ごし方や、最近お気に入りの観光地、温泉地は。

 髙橋 まずは多様な趣味をお持ちの坂巻さんから(笑い)。

 坂巻 (笑い)。若者と接する時間を設けたいと常に思っていて、先日は当社が協賛している、さいたまスーパーアリーナで行われたライブイベント「ニコニコ超パーティー」に参加した。コンピューター音楽のボーカロイドが面白かった。

 最近はジオパークに凝っている。日本にはいっぱいあって、一つ一つが素晴らしい。先日は浅間山北麓のジオパークを訪ねた。地球の成り立ち、息吹を感じ、わくわくする。なるべく時間をかけて見るようにしている。

 温泉地では草津。お客さまに街に出てもらおうと、いろいろな仕掛けをしている。私は年1回の温泉感謝祭に毎年行っている。温泉女神が降臨する儀式が幻想的で大好きだ。

 堀坂 こだわりの場所は熊本。私の出身地だが、地震で大きな被害を受けたことに心を痛めている。熊本城が崩れた姿を見て涙が出たが、少しずつ復興しており、1日も早い完全復興を願っている。

 19年はデスティネーションキャンペーン(DC)が熊本で7~9月にある。九州新幹線が全線開通し、山陽新幹線との直通運転を始めた11年の南九州キャンペーン以来だ。さらに熊本出身で日本最初のオリンピック選手、金栗四三が主人公のNHK大河ドラマ「いだてん」も19年に放送される。

 DCの販売促進会議には私も伺い、地元の皆さんとともに気勢を上げた。どこにも負けないぐらい送客しようと、社内にはっぱをかけているところだ。

 熊本では19年、ラグビーのワールドカップのほか、女子ハンドボールの世界選手権も開かれる。ハンドボールは私自身、大学時代までやっていたので、特に思い入れがある。先日、家を整理していたら、高校時代に出場した九州大会のガリ版刷りが出てきた。私が一番輝いていた頃だ(笑い)。まだマイナーなスポーツで、業にするのは難しいが、人気の底上げができないかと個人的には思っている。

 温泉地は熊本の杖立や黒川。さらに城崎やあわら。街を回遊する仕組みをつくっているのがいい。

 丸山 休みの日は靖国神社をお参りしている。伯父が戦艦大和で戦死をしており、まつられているからと祖母に言われて東京にいた学生の頃からお参りしている。勤めてからも東京に出張した際は、時間があればお参りしていた。今回、東京に住むようになってから、休日はほぼ訪れている。神社の境内や、神田神保町辺りまでの道は散歩コースになっている。

 温泉地については、三重県の伊勢志摩にある志摩スペイン村と賢島の旅館の温泉。これは、伊勢志摩温泉というのだが、温泉の質もなかなか良い。日本で一番好きな温泉だ。

 髙橋 とにかく時間があれば歩いている。タウンウオッチングだったり、一時は大学のキャンパス巡りをしたりした。

 あとは商店街巡り。仕事のためというわけではないが、外国人の行動パターンに非常に興味があって、SNSで情報を仕入れて、商店街で訪日インバウンドウオッチングをしている。

 たまたまこの間、NHKの「サラメシ」に出演した時、その様子が出ていた。日暮里(東京都荒川区)の繊維街だったのだが、訪日インバウンドのお客さんですごいにぎわいだった。商品はメイドインジャパンの信頼性と、富士山、桜、芸者など、日本独自のデザインが受けているようだ。お客さんや店主の話を聞くと、欧米人はエプロンやドレス、アジア人は民族衣装、例えばミャンマー人はロンジーを作るという。何万、何十万と、平気で買っていく。お土産に配るのだそうだ。

 坂巻 テレビはいい顔で映っていた(笑い)。

 髙橋 そうですか(笑い)。

 坂巻 若手の社員とにこやかに懇談する様子も映っていた。

 髙橋 経営改革をするには、企業のカルチャーも変えていかなければと、若い社員と昼に弁当を食べながらコミュニケーションをとっている。ストレートな意見や駄目出しも結構出る(笑い)。

 温泉地の中には一体感があり、街ぐるみでお客さまを呼ぼうというところがある。旅館は二次会どころも土産売り場も最小限で、必要ならば街に出て下さいと、街全体が潤うように工夫をしている。そういう温泉地や旅館を注目して見ている。

 

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