妹は、大のお味噌(みそ)汁好き。彼女は仕事柄、接待したりされたり、夕食はほぼ外食だが、たまに「今夜は家で食べるぅ~!」なんて時は、できればお味噌汁でホッとしてもらいたいと思う。でも、何を入れようか? いつも同じようなバリエーションになってしまう。
人気の具材ランキングを検索すると、やっぱり1位はお豆腐。冷蔵庫にコレさえあれば、お味噌汁の具はモチロン、そのままでお酒のアテになるし、麻婆豆腐や豆腐ハンバーグなど、あれこれ変身させられる。ただ、たまに買い置きがないことも。ピンチを救ってくれるのが、2位のワカメだ。塩蔵タイプでも結構長期保存できるし、万一切れていても、乾燥ワカメという強い味方が。3位はなめこだそう。天然物とまでは言わないが、秋に出てくる原木栽培のなめこは美味。4位以降は、大根・玉ネギ・長ネギ・油揚げ・卵・ナスときて、10位がジャガイモなのだとか(いずれもレシピサイト「マカロニ」調べ)。
ふむふむ。長ネギは大抵冷蔵庫にあるし、油揚げは冷凍しておくと便利。大根は、いちょう切りも良いが、わが家はもっぱら千切りだ。玉ネギやジャガイモも、あれば入れる。ナスは、だしを沸騰させた状態に保ちつつ、2分程度で火を通し、火を止めてから味噌を溶けば、皮の色が抜けたり、汁が黒っぽくなったりしない。ポリフェノールの一種「ナスニン」という成分の流出を防ぐのがポイントなのだ。某メーカーの冷凍揚げナスがあると、超便利。油でコーティングされているから色が変わらず、ナス自体トロッとして、味噌汁にもコクが出る。卵は、祖母が好きな具だった。
でも、どれもあまり単体では使わない。一番多いのは、冷蔵庫に余っているいろんな野菜たちを全部入れちゃうパターン。あると便利だからとつい買っておいたシメジや、丸1個買って余っているキャベツ、ちょこっと芽が伸びてきちゃった玉ネギなんかをガンガン投入。1位のお豆腐も、必ず何かと組み合わせる。
だが、一緒に入れると残念な結果になるモノがあると、先日某ニュースサイトで知った。ワカメとネギはNGなのだそう。ド定番の組み合わせだと思ってたのに、ウソでしょ?
日本には昔から、「食べ合わせ」という概念がある。「ウナギと梅干し」のように全く科学的根拠のないものもあるが、ワカメとネギの食べ合わせが悪いというのは、ちゃんと理由があるのだ。実は、せっかくカルシウムが豊富なワカメを食べても、ネギに含まれる硫化アリルがカルシウムの吸収を阻害するのだとか。硫化アリルは長ネギだけでなく、玉ネギやニラ、ニンニクなどにも含まれる。
でも、硫化アリルは熱に弱いので、ちゃんと火を通せば問題ないらしい。逆にカルシウムの吸収率をアップさせたい場合は、ビタミンDが豊富なキノコ類を入れると良いそうだ。
ホントは彩りに青ネギを生のまま入れたいんだけどなぁ…。ワカメを入れる時だけ、ガマンガマン!
※宿泊料飲施設ジャーナリスト。数多くの取材経験を生かし、旅館・ホテル、レストランのプロデュースやメニュー開発、ホスピタリティ研修なども手掛ける。