観光経済新聞は11月18日、無料オンラインセミナー「クラフトツーリズムに見出す伝統工芸の未来~匠の技体験と越境ECで攻める岐阜の戦略~」を実施した。事前登録者は240人、当日視聴者は170人だった。
同セミナーは本社がやまとごころ、日本観光地域活性化機構との3者共催で実施している「観光ニューノーマル 無料オンラインセミナーシリーズ」の7回目。
岐阜県商工労働部観光国際局海外戦略推進課インバウンド推進監の加藤英彦氏と、淺野鍛冶屋横座の淺野房太郎氏(刀匠 房太郎)氏がクラフトツーリズムについて語った。モデレーターは、やまとごころ代表取締役の村山慶輔氏が務めた。
加藤氏は2009年に開始した「飛騨・美濃じまん海外戦略プロジェクト」の展開について紹介。知事がトップセールスでアジア各国、欧州、北米を巡り、「観光、食、モノづくりを“三位一体”とするプロモーションを行ってきた」と話した。具体的には、飛騨牛、富有柿、イチゴ、アユ、地酒など「農林水産物等の食材」と、陶磁器、和紙、刃物、木工など「地場産品等」を宣伝し、海外からの観光誘客にも結び付ける取り組みを継続的に行ってきたと説明した。
10年間の取り組みで、外国人宿泊者数は、09年の15万3千人から19年の166万人へと約10倍に増加。19年の岐阜県への外国人延べ宿泊者数は、1位中国(52.7万人)▽2位台湾(17.7万人)▽3位香港(9.1万人)▽4位タイ(7.5万人)▽5位米国(4万人)▽6位韓国(3.6万人)▽7位スペイン(3.5万人)▽8位オーストラリア(3万人)▽9位英国(2.9万人)▽10位マレーシア(2.6万人)―だった。
インバウンド戦略として「本番の産地で本物を体験・買う」とテーマに、地域資源を生かした着地型ツアーの造成・販売を推進。特に淺野鍛冶屋の「”匠の技”体験ツアー」は欧米富裕層の観光客を中心に人気のツアーとなった。
淺野氏は「仕事に対する愛情の深さとエンターテイナーに徹する姿勢が、感動、共感として相手に伝わった結果ではないか。自分にはインバウンド事業をやっているという特段の意識はない」と分析した。
https://youtu.be/TSV-85zPtTUhttps://youtu.be/TSV-85zPtTU