
近畿日本ツーリスト(KNT)グループの店頭販売部門であるKNTツーリストが2年ぶりとなる新店舗を千葉県船橋市の大型ショッピングセンター(SC)内に開設した=写真。近年は経営効率の向上のために不採算店舗の閉鎖を進め新規出店も抑えてきたが、店舗閉鎖が一段落したことなどから新店舗開店に踏み切った。
4月13日に開店した新店舗は、千葉県船橋市のSC「三井ショッピングパーク ららぽーとTokyo—Bay」、同業他社の店舗やカメラチェーンのプリントショップなどが集まる旅行関連エリア「LALATravel」の一角。同社首都圏営業部の杉浦洋一部長によると、同社のラゾーナ川崎(神奈川県川崎市)の店舗が同業他社と店を並べる形態で成功していることなどから出店を決めた。
広さは約50平方メートルで、店内は茶色を中心とした配色の落ち着いた雰囲気。4人のスタッフが対応する。
「ガチャピン、ムックのぬいぐるみを使った写真撮影会など足を止めてもらうための工夫もしているが、何よりも顧客満足度を高めるのが一番」と語るのは、同営業所の清水顕彦営業所長。買い物ついでに気軽に立ち寄れる雰囲気作りと、スタッフのコンサルティング能力の充実に努めている。清水所長は「宿泊施設選びでは、金額がお客さまの希望通りであっても施設のコンセプトがお客さまの志向に合致しなければ、満足してもらえない」として、旅館・ホテルのコンセプトをしっかり把握し、利用者に納得して申し込んでもらうことを重視する。
同SCは年間2500万人が訪れるが、旅行関連エリアは奥まっていることもあり、販売拡大には店舗への誘導がカギとなりそう。隣接した同業の2店舗とも協力しながら、利用者の旅行ムードを高めるイベントなどにも取り組んでいきたい考えだ。
同社では首都圏エリアでの更なる新規出店は予定していないが、既存店舗などでリニューアルを行うなど、ハード面での充実にも力を入れるという。
