JTBグループの連結中間決算、法人事業が好調


 JTBが17日に発表した2014年4〜9月期グループ連結決算は、売上高が前期比1.7%増の6783億200万円だった。経常利益は135億3800万円と20.0%減少したものの、当期純利益では144億500万円と35.0%増加した。好調な企業業績を受けて、法人事業がけん引し国内旅行、海外旅行とも増収。訪日外国人旅行者数が増加し、訪日インバウンドの取り扱いも大きく伸びた。

 連結対象会社数は国内72社、海外79社、持分法適用会社19社を合わせ170社、従業員数は2万6千人。

 国内旅行部門の売上高は前期比0.4%増の3002億4千万円。商品別でみると個人型企画商品「エースJTB」は0.5%増、団体旅行は2.8%増、メディア販売は17.3%減だった。

 個人・グループ旅行は、エースで12年度から取り組んでいる価値創造、満足度アップを目的とした商品改革が成果を上げ、ユニバーサル.スタジオ.ジャパンのJTB優先入場や、沖縄での専用ラウンジなどを組み込んだ商品が好調に推移した。法人営業は、堅調業種でのMICE需要の伸長や大会関連の取り扱いにより前期を上回った。

 仕入面では訪日外国人客の増加に伴い厳しい環境にあった。

 海外旅行部門の売上高は1.1%増の2785億4400万円。円安や主要観光地でのホテル仕入価格の高騰、アジアを中心とした外交問題、情勢不安の影響などにより、個人.グループ旅行は苦戦した。法人営業は、堅調業種のインセンティブ旅行需要や大型イベントの取り扱いにより前期を上回った。

 国際旅行部門の売上高は18.9%増の402億1100万円で、うち訪日旅行部門の売上高は26.7%増の234億4200万円だった。円安の定着や、東南アジアでの訪日査証の発給要件緩和などで、上期の訪日外国人旅行者が過去最高を記録。JTBの訪日旅行部門も、営業・販売促進活動を積極的に行った結果、好調に推移した。

 ウェブ部門は、JTBホームページや国内旅行予約サイト「るるぶトラベル」での商品の拡充、ユーザー利便性の向上などを推進し、販売が拡大した。

 ホテル事業は、コア事業への「選択と集中」を進め、サンルートの全株式を9月1日に相鉄ホールディングスへ譲渡した。

 下期については、国内旅行、海外旅行は、好業績業種を中心とした法人需要が引き続き堅調に推移すると想定。訪日インバウンドは市場の拡大を上回る取り扱いを目指す。

 2014年度通期では、売上高は前期比0.5%増の1兆3120億円、経常利益は10.1%増の170億円、当期純利益は当初見通しから12億円上方修正し31.%増の100億円となる見込み。

 
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