JAL・ANA中間決算、コロナで両社赤字に 


旅客需要が大幅に減少

 JALグループ(JAL)とANAホールディングス(ANA)はこのほど、2021年3月期中間決算(20年4月1日~9月30日)を発表した。新型コロナウイルスの影響を受けて旅客需要が減少し、両社とも大幅な赤字となった。通期連結業績でも最終赤字を予想し、JALは再上場後初の赤字、ANAは過去最大の赤字を見込む。

 JALはグループ連結売上高が前年同期比74.0%の1947億9100万円、営業損失が2239億7200万円、純損失が1612億2600万円だった。新型コロナウイルスの影響で、国際旅客需要では世界各国による出入国制限、国内旅客需要では都道府県をまたぐ移動の自粛が継続。旅客は大幅に減少した。急減する需要に対し、機動的に供給調整を行い運航費用など変動費の抑制に努めるとともに、委託業務の内製化やITに関わる経費の抑制、社員の賞与減といった人件費の削減など固定費の削減を進めた。

 国際旅客の売上高は、同96.6%減の91億円に。帰国者や海外拠点への赴任者、アジア発北米行きの通過需要など、移動需要は限定的だった。

 国内旅客の売上高は、同75.6%減の696億円。9月以降は、連休期間に対前年同期比6割程度の乗客数になるなど回復基調に。ソーシャルディスタンスに配慮したツアー、成田発着周遊チャーターの運航、ワーケーションへの活用可能なツアーなど新たな商品の提供を開始し、需要喚起や収支の改善に努めた。

 21年3月期通期決算予想は、売上高が5300~6千億円、営業損失が3300~3800億円、純損失が2400~2700億円。

 ANAはグループ連結売上高が同72.4%減の2918億3400万円、営業損失が同2809億5千万円、純損失が1884億7700万円だった。新型コロナウイルスの影響で旅客需要が著しく減退。需要の減退に合わせて運航規模を抑制し、燃油費、空港使用料などを削減したほか、役員報酬など人件費の削減に取り組んだ。

 国際旅客の売上高は同95.8%減の196億円に。大規模な運休、減便を継続した一方で、海外赴任、帰任などの需要動向を見極め、運航継続路線の選択や臨時便の設定に努めた。8月から期間限定で日本発片道割引運賃を設定するほか、9月からGoogleが提供する航空券の比較検索機能「Googleフライト」で、ANA公式サイトへ移動することなく、検索から予約、決済までできるサービスを開始した。

 国内旅客の売上高は同78.6%減の789億円に。需要の回復に合わせて運航便数を増やすほか、7月以降は日程や行き先の変更の際に手数料がかからない「あんしん変更キャンペーン」を実施した。

 LCC旅客の売上高は同81.7%減の84億円となった。8月に成田―釧路線、成田―宮崎線を新たに開設するなど、旅客需要の増加に合わせてネットワークの回復、拡充を図った。

 21年3月期通期決算予想は、売上高が7400億円、営業損失が5050億円、純損失が5100億円。

 

 
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