JALエービーシーは、手荷物当日配送のAirporterと業務提携した。
■ 提携の背景
空港において配送の窓口になっているのがJALABCです。JALABCは、全国4つの主要空港(羽田・成田・関西国際・中部国際)にカウンターを有し、主に日本人客を対象とした宅配事業を軸に、Wi-Fiや携帯電話のレンタル、ESTAの申請代行を展開しており、総合的な「旅の窓口」の役割を果たしてきました。
この度、両社が業務提携するのは「インバウンド客向けの宿泊施設から空港への配送分野」です。同じ空港宅配でも、日本人とインバウンド客では、ニーズが異なっていました。顕著に現れるのが「集荷日」です。日本人の場合、予備の着替えや日用品が家にあるので、荷造りが済んだ荷物は、まさに”オニモツ”になっていました。そのため、家に荷物があると邪魔だから「早く集荷に来て欲しい」というニーズがありました。
これに対して、インバウンド客の場合、出発の当日まで荷造りをしたいという要望があるため「”遅く”集荷に来て欲しい」というのがインバウンド客の声でした。つまり、同じ空港配送でも「前日までの集荷」と「当日集荷」という2つのニーズがありました。
そこで、「前日までの集荷」にて宅配業務を行うJALABCと「当日配送」を専門に扱うAirporterが業務提携することによって、日本人とインバウンド客のそれぞれ異なるニーズを満たすことができるようになり、空港利用者全体の利便性が大幅に向上することになります。
■ 特徴
① 受取時間が「Airporterの時間指定」から「JALABCの営業時間」へ大幅拡大
Airporterのサービスは「対面」で手荷物の引き渡しをしていたため、Airporterの指定する時間にお客様が荷物を受け取りに来る必要がありました。インバウンド客のなかには、電車の複雑な乗換に対応できず、定刻に到着できない方も少なくなく、「時間指定」にストレスを感じるお客様もいらっしゃいました。今般、両社の提携によってJALABCカウンターの利用が可能となり、お客様の手荷物受取可能時間が大幅に拡大されますので、利便性が飛躍的に向上します。
② 荷物の受取は、カウンターにてスマホの「予約メール」を見せるだけ
荷物を引き出すには、JALABCのカウンターにて、Airporterから届くスマホの「予約メール」を照会するだけです。荷物にはAirporterのタグが付けられており、「タグに記載された取引番号」と「予約メールに記載されたランダムの取引番号」を照会することで、引換が可能になります。
③ 受取場所がわかりやすい
カウンター全体がイメージカラーの赤で統一されており、離れたところからも、見つけやすいカウンターです。
サービス提供開始ターミナルは、成田空港第一と第二ターミナル、羽田空港国際線ターミナル、関西国際空港第一ターミナルになります。なお、成田空港第三ターミナルの荷物は、第二ターミナルで引渡しを行います。
■ 今後の展開
今後、Airporterは「当日受付」の「当日配送」を試験運用する予定です。現在、Airporterでは「当日配送」を実現しているものの、配車の関係で申込みを「前日の18時」で締め切っています。JALABCとの提携により、新たな配送網を築けるため、インバウンド客が「お部屋をチェックアウトするときに申し込む」ことが可能になります。