観光庁が9月30日に発表した宿泊旅行統計調査の結果、2020年8月の全国の宿泊施設における延べ宿泊者数(第1次速報値)は、前年同月比58.4%減の2628万人泊となった。コロナ禍による影響は5月に底を打ち、宿泊需要は回復傾向にあったが、東京都などで感染が再拡大した影響で8月の前年同月比の減少率は、前の月の7月(58.3%減)からはほぼ横ばいだった。
7月22日には政府のGo Toトラベルキャンペーンが東京都を除いて始まり、8月末までに1339万人泊以上の利用があったが、8月には一部の地域で感染が再拡大し、お盆時期などの旅行需要が縮小したとみられる。比較対象の前年同月(19年8月)の延べ宿泊者数(確定値)が、統計開始(07年)以降の最高値だったことも下げ幅の拡大に影響した。
8月の延べ宿泊者数のうち、日本人延べ宿泊者数は前年同月比51.5%減の2605万人泊で、減少率は7月の47.9%減から拡大した。外国人延べ宿泊者数は、入出国の制限が続いており、同97.6%減の23万人泊だった。
宿泊施設の8月の客室稼働率(第1次速報値)は、前年同月比37.3ポイント減の32.1%となった。施設タイプ別では、ビジネスホテル42.1ポイント減の37.5%▽リゾートホテル36.7ポイント減の34.2%▽旅館21.8ポイント減の28.6%▽シティホテル54.8ポイント減の28.2%▽簡易宿所27.0ポイント減の18.0%。
宿泊旅行統計調査の第1次速報値は、第2次速報値、さらに確定値の段階でそれぞれ数値が変更になる。