2020年4月の訪日外国人旅行者数は、前年同月比99・9%減の2900人となった。日本政府観光局(JNTO)が5月20日に発表した推計値。新型コロナウイルスの世界的な流行に伴い、水際対策として入国拒否などの措置がとられたことで、1964年の統計開始以降、月間の人数として最少となり、前年同月比の減少率も最大を記録した。
日本を含む世界各国で出入国の制限や旅行の自粛が発生し、国際線の航空便数も大幅に減少した。政府の訪日旅行促進の重点市場22市場の多くで4月の訪日旅行者数がゼロに近づいた。市場別では韓国、台湾、米国が各300人、中国、ベトナムが各200人など。
日本政府の水際対策は、検疫の強化、査証の効力停止など順次実施され、5月27日時点では、2週間以内に当該地域に滞在歴がある外国人の入国拒否の対象は111カ国・地域に上っている。
インバウンドの回復について観光庁の田端浩長官は20日の専門紙向け会見で、「世界各国で感染防止の対策が進捗(しんちょく)し、出入国などの制限が緩和されれば、誘客が可能になった国・地域から訪日プロモーションを開始したい。航空便の運航再開に合わせた航空会社との共同広告の展開などから取り組むことになる」と述べた。