4月の訪日外客は208万人、月間で過去最高を記録


 今年4月の訪日外客数は、前年同月比18.0%増の208万2千人となった。日本政府観光局(JNTO)が18日に推計値として発表。前月の3月に記録した201万人を上回り、月間として過去最高を記録した。熊本地震の発生を受け、九州への訪問が多い韓国の訪日客数が伸び悩んだが、桜観光の需要の高まりなどで全体としては堅調な伸びを示した。台湾、タイなどが月間の過去最高を記録した。

 月間の過去最高を更新したのは台湾、タイのほか、インドネシア、フィリピン、ベトナム、インド、フランス。4月としては、ロシアを除く重点市場19の国・地域が過去最高だった。

 熊本地震の影響について観光庁の田村明比古長官は、18日の会見で「全体への大きなマイナスとはなっていないが、九州の訪日客の36.5%を占める韓国は影響を受けている。早急に対応が必要だ。九州の需要回復に向けて関係省庁と連携して具体策を検討している」と述べた。

 韓国は16.1%増の35万3700人だった。4月としては過去最高だが、熊本地震の影響で伸び率は2014年8月以来となる10%台にとどまった。熊本、大分を旅程に含むほとんどの旅行商品がキャンセルとなったほか、航空会社も九州路線の運休、減便を実施した。

 中国は26.9%増の51万4900人。清明節の休暇を利用した桜観光やクルーズなどが好調。台湾は14.6%増の38万4200人。立山黒部アルペンルートの全線開通、航空便の充実が訪日需要を喚起した。香港は6.4%増の12万7200人だった。中国、台湾、香港のいずれも一部の九州ツアーにキャンセルが出た。

 タイは、年間最大の旅行シーズンであるソンクラン(タイ正月)休暇などで11.1%増の13万1千人。東南アジアの他の市場は、フィリピンが14.3%増の4万1900人、マレーシアが28.6%増の3万8千人などだった。

 米国は、広告宣伝やイベントなどのプロモーション効果、燃油サーチャージ安の相乗効果で19.1%増の11万4200人。豪州はイースター休暇が終了したが、16.6%増の3万9700人と堅調だった。

 欧州では、フランスが25.2%増の3万4千人となった。テロ発生で運休していた日本航空(JAL)のパリ—成田線の運航再開、沖縄や西日本方面のクルーズ船寄港などが追い風になった。英国は5.4%増の2万8500人、ドイツは15.6%増の1万8100人だった。

 今年1〜4月の累計では、前年同期比32.9%増の783万5千人となった。

 
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