日本政策金融公庫は7月23日、四半期ごとに実施している全国中小企業動向調査の今年6月調査分の結果を公表した。それによると、今年4〜6月期の全国小企業(従業者20人未満。卸売、小売、飲食店・宿泊業は10人未満)の業況判断DIは前期比1.1ポイント上昇したものの、売上DIは同0.1ポイント低下。調査開始以来の最低を記録した。また全国中小企業(原則従業者20人以上)の業況判断DIも同0.9ポイント上昇したが、売上DIは同3.6ポイント低下し、過去最低となった。公庫ではそれぞれの景況について「一部に下げ止まりの兆しがみられるが、いまだ低迷している」(小企業)、「厳しい状況ながら下げ止まりの動きがみられる」(中小企業)としている。
小企業の業況判断DI(よいとする企業割合から悪いとする企業割合を引いた値)は、前期(今年1〜3月期)比1.1ポイント上昇のマイナス62.5。6期ぶりに上昇した。ただ、来期は再び低下し、今期比3.8ポイント低下のマイナス66.3になる見通し。
今期の業況判断DIを業種別にみると、飲食店・宿泊業が同1.5ポイント低下のマイナス65.5。このほか情報通信業(同14.8ポイント低下のマイナス58.7)、建設業(同5.5ポイント低下のマイナス57.5)などが低下した。製造業(同0.6ポイント上昇のマイナス71.2)、卸売業(同0.5ポイント上昇のマイナス64.3)などは上昇した。
地域別では、地方圏が上昇し、低下が続く大都市圏の水準を上回った。大都市圏と地方圏のDIが逆転するのは、02年7〜9月期以来、約7年ぶり。東北(同7.6ポイント上昇のマイナス53.7)、北陸(同8.0ポイント上昇のマイナス60.7)、中国(同5.7ポイント上昇のマイナス64.7)などが上昇した。
売上DI(増加とする企業割合から減少とする企業割合を引いた値)は前期比0.1ポイント低下のマイナス62.9。80年1〜3月期の調査開始以来、最低を記録した。また低下は過去最長の9期連続となった。来期見通しは今期から1.7ポイント低下のマイナス64.6。
一方、中小企業の業況判断DIは、同0.9ポイント上昇のマイナス53.7。2期ぶりに上昇した。来期は今期比1.5ポイント上昇のマイナス52.2になる見通し。
中小企業の売上DIは、同3.6ポイント低下のマイナス56.2で、過去最低を記録した。来期は今期比0.9ポイント上昇のマイナス55.3になる見通し。