株式会社リクルートは7月15日、国内宿泊旅行の実態を調べる「じゃらん観光国内宿泊旅行調査2026」の結果を発表した。全国1万5,548人の宿泊旅行者を対象に実施したもので、都道府県別の魅力度ランキングが明らかになった。総合満足度では香川県が89.2%で2年連続の1位を獲得。石川県は「地元ならではのおいしい食べ物があった」部門で1位に輝き、沖縄県はテーマ別6部門でトップに立った。
総合満足度トップ10に中四国3県 岐阜県は圏外から一気にトップ3へ

総合満足度の1位は香川県で89.2%。前年度(2024年度)の91.3%からは数値を下げたものの、2年連続で首位を守った。
2位は長崎県(88.7%)で、前年度の3位から順位を上げた。3位には前年度トップ10圏外だった岐阜県(88.5%)が食い込んだ。4位は石川県(88.3%)、5位は沖縄県(88.0%)と続く。
6位は長野県と三重県が同率(87.7%)、8位は宮城県と高知県が同率(87.6%)、10位は島根県(87.5%)となった。長野県、宮城県、高知県、島根県はいずれも新たにトップ10入り。
中四国エリアからは香川県、高知県、島根県の3県がランクイン。一方、北海道・首都圏・関西からのトップ10入りはなかった。
全体平均は84.2%で、前年度(84.1%)とほぼ横ばい。
石川県、うどんの香川県と海の幸で食の頂点争い
「地元ならではのおいしい食べ物があった」部門では、石川県が79.6%で1位に返り咲いた。2023年度以来の首位となる。「海鮮・魚介類」「寿司・回転寿司」「のどぐろ」などへの言及が多く、海の幸を中心とした食の魅力が高く評価された。
2位は香川県(78.6%)。「讃岐うどん」が回答の6割超を占め、地元ならではの食として強い支持を集めた。
3位は宮崎県(78.5%)で、「チキン南蛮」を筆頭に「地鶏・鶏料理」「宮崎牛」など肉料理を中心とした多様な名物が挙がった。4位は宮城県(77.4%)、5位は富山県(77.3%)。
新たにトップ10入りした富山県では「海鮮・魚介類」、島根県(9位、75.2%)では「出雲そば」、愛媛県(9位、75.2%)では「鯛めし」など、各県を代表する食に関する回答が目立った。
全体平均は66.5%で、前年度(67.1%)からやや低下した。
沖縄、特産品でも宿泊施設でも2年連続トップ
「魅力のある特産品や土産物があった」部門では、沖縄県が68.3%で2年連続の1位。「ちんすこう」「紅芋タルト」などの菓子類に加え、「シーサー」「琉球ガラス」「やちむん」などの工芸品、「海ぶどう」「雪塩・石垣の塩」「パイナップル」「泡盛」など、沖縄ならではの特産品が幅広く挙がった。
2位は石川県(65.3%)。「酒・地酒・日本酒」「のどぐろ」「金箔製品」「九谷焼」「輪島塗」など、食と工芸の両面で多様な品目が評価された。3位は北海道(64.7%)、4位は福岡県(63.9%)、5位は香川県(63.7%)。福岡県では「明太子」や福岡銘菓、香川県では「讃岐うどん」など各道県ならではの品目が挙がった。
全体平均は55.3%で、前年度(55.7%)とほぼ同水準。
「魅力的な宿泊施設があった」部門でも沖縄県が72.5%で首位。離島を含めたリゾートホテルやラグジュアリーホテルが多く挙がった。2位は大分県(70.4%)で、別府や由布院などの温泉地にある宿泊施設が支持を集めた。3位は山形県と千葉県が同率(69.6%)。山形県は銀山・蔵王などの有名温泉宿の名前が目立つ。
新たにトップ10入りした群馬県(5位、67.9%)では草津・伊香保をはじめとする温泉地の宿泊施設、静岡県(9位、66.7%)では熱海・浜名湖・焼津などの温泉やリゾートホテル、三重県(10位、66.4%)では伊勢志摩・鳥羽エリアのリゾートホテルや観光施設一体型の宿泊施設の名前が挙がった。リゾートエリアや温泉地を有する県が上位を占めた構図。
全体平均は60.5%で、前年度(60.2%)からわずかに上昇した。
ホスピタリティでも沖縄が首位、山形・青森が続く

「地元の人のホスピタリティを感じた」部門では、沖縄県が56.5%で1位。宿泊施設や飲食店、アクティビティなど、観光客と地元の人が接するさまざまな場面での対応の良さや親しみやすさを感じたという声が多く寄せられた。
2位は山形県(44.6%)。温泉地や宿泊施設での接客に加え、直売所や飲食店などでの会話を通じて地元の人の温かさを感じたという声が多かった。3位は青森県(44.2%)で新たにトップ10入り。宿泊施設や観光施設に加え、道の駅、祭り、移動中の会話など旅先での偶発的な交流も評価につながった。
4位は高知県(44.0%)、5位は大分県(42.5%)。全体平均は37.2%で、前年度(36.4%)からやや上昇した。
子ども・若者は千葉&沖縄の2強、大人は沖縄が最高評価
「子どもが楽しめるスポットや施設・体験があった」部門では、千葉県が56.1%で1位。有名テーマパークを中心に、水族館や海・海水浴場、牧場などを推す声が多かった。
2位は沖縄県(51.8%)、3位は福井県(42.7%)。福井県は新たにトップ3入りし、恐竜関連施設を挙げる人が多い。4位の大阪府(42.6%)は有名テーマパークに加え、大阪・関西万博も挙がった。7位の北海道(37.7%)と10位の熊本県(35.2%)は新たにトップ10入りした。全体平均は35.0%。
「若者が楽しめるスポットや施設・体験があった」部門は千葉県(56.1%)が1位、沖縄県(55.4%)が2位、大阪府(48.1%)が3位で、上位3府県は前年度から変わらず。千葉県はショッピング施設や水族館、海も人気。沖縄県はマリンアクティビティや水族館、ビーチに加え、テーマパークや国際通りなど幅広い。大阪府は有名テーマパークが一番人気だが、なんば・道頓堀、買い物、ライブ、スポーツ観戦など楽しみ方は多岐にわたり、大阪・関西万博も挙がった。7位には神奈川県(39.6%)が新たにランクインし、横浜・みなとみらい、中華街、箱根、江の島・鎌倉など多様なスポットが挙がった。全体平均は37.0%。
「大人が楽しめるスポットや施設・体験があった」部門では沖縄県が65.4%で1位。海や水族館に加え、テーマパーク、国際通り、アメリカンビレッジ、居酒屋など自然体験からまち歩きまで幅広い回答が挙がった。2位は千葉県(60.7%)、3位は長崎県(59.0%)。長崎県は軍艦島、出島、グラバー園、教会など歴史文化に関するスポットも目立つ。10位には香川県(52.7%)が新たにランクインし、金刀比羅宮をはじめとする神社仏閣のほか、水族館、公園、美術館、島めぐり、アート関連のスポットなどが挙がった。全体平均は51.1%。
アクティビティでも沖縄が圧倒、観光情報入手でも首位

「ご当地ならではの体験・アクティビティが楽しめた」部門は、沖縄県が69.2%で首位。シュノーケリングやダイビングなどのマリンアクティビティが圧倒的に人気で、テーマパークやクルーズ、島めぐりなども挙がった。
2位は大分県(57.0%)。温泉が最も多く、地獄めぐりや露天風呂、足湯など温泉地ならではの体験が支持された。3位は北海道(56.0%)で、温泉を中心にスキー・スノーボード、スポーツ観戦、クルーズ、乗馬など幅広い体験が見られた。
新たにトップ10入りした青森県(6位、53.1%)、長野県(7位、52.9%)、愛媛県(8位、51.1%)、岐阜県(9位、50.1%)では、温泉のほか、祭り、りんご狩り、登山、サイクリング、鵜飼など各県ならではの体験が挙がった。全体平均は47.8%で、前年度(46.9%)から上昇した。
「現地で良い観光情報を入手できた」部門でも沖縄県が52.8%でトップ。2位は北海道(42.1%)、3位は長崎県(41.5%)、4位は京都府(41.4%)、5位は鳥取県(40.3%)。宿泊施設や観光案内所、駅、道の駅など現地で直接得られた情報に関する回答が多く、ホテルスタッフやガイド、タクシー運転手、地元の人など人を介しておすすめの飲食店や観光スポットを知ったケースが多く見られた。全体平均は35.9%で、前年度(35.2%)から上昇した。
今後行きたい旅行先は北海道が首位、鹿児島県が新たにトップ10入り
今後行きたい旅行先を3つまで挙げてもらったところ(参考)、1位は北海道(27.2%)、2位は沖縄県(20.0%)、3位は東京都(9.6%)、4位は京都府(9.4%)。上位4都道府県は前年度と同順位で、北海道と沖縄県が引き続き高い人気を維持した。
5位は福岡県(8.3%)、6位は大阪府(7.8%)、7位は長野県(6.3%)、8位は神奈川県(5.6%)、9位は静岡県(5.2%)、10位は長崎県と鹿児島県が同率(4.9%)。鹿児島県が新たにトップ10入りした。
担当研究員「旅行者が実感できる接点として届けられてこそ」
調査を担当したじゃらんリサーチセンター(JRC)研究員の池内摩耶氏は次のようにコメントしている。
「国内宿泊旅行実施率が伸び悩む中でも、満足度の高い地域では、食や土産物、体験などを通じて、旅行者が『その土地に来たからこそ』の価値を実感できることが、旅行者の満足感につながっているように見えます。総合満足度で2年連続1位となった香川県は、延べ宿泊旅行者数、旅行費用ともに前年度から増加しました。旅行費用は全国平均よりも低く、比較的リーズナブルに楽しめることも魅力の一つです。また、『地元ならではのおいしい食べ物』で2位、『魅力のある特産品や土産物』で5位に入っており、うどんをはじめとした食や土産物など、地域らしさを感じられる要素が旅行者に伝わりやすいエリアなのかもしれません。2025年度は瀬戸内国際芸術祭も開催され、瀬戸内らしい景観や島々、アート、歴史文化と結び付いた体験も、旅行者の満足度を高めた可能性があります」
石川県については「総合満足度で4位、『地元ならではのおいしい食べ物』で1位、『魅力のある特産品や土産物』で2位に入り、海鮮や寿司、のどぐろ、地酒、金箔、和菓子、九谷焼など、石川県ならではの食や文化が高く評価されています。復興が進む中で、こうした地域の魅力が改めて旅行者の満足感につながった結果と言えそうです」と述べた。
池内氏はさらに、「今回の結果からは、食や土産物、景観、文化など、地域に根差した魅力を旅の中で具体的に実感できることが、旅行者の満足度を高めていることが見えてきます。地域らしさは、そこに『ある』だけではなく、旅行者が旅の中で出会い、味わい、体験できる接点として届けられてこそ、旅先での満足感につながるのではないでしょうか」と総括した。
調査概要
調査対象旅行期間は2025年度(2025年4月〜2026年3月)に行われた国内宿泊旅行(出張・帰省・修学旅行などを除く)。調査方法はインターネット調査。
1次調査は2026年4月1日から21日に実施し、全国18〜79歳の男女(株式会社マクロミルの登録モニター)に対して108万1,685件を配信。6万9,854件(回収率6.5%)を回収し、うち2万件を集計対象とした。
2次調査は2026年4月10日から21日に実施。1次調査で国内宿泊旅行をしたと回答した3万3,643件のうち、都道府県別・性年代別の割り付けに合わせて2万7,966件を配信。1万5,589件(回収率55.7%)を回収し、有効回答数1万5,548件(旅行件数ベース3万139件)を集計対象とした。




