前回コラムでは、借入金利が3ポイント上がれば、平均的な宿でも経常利益率は1.7%まで低下して借入金償還年数は15年を超え、現在赤字の施設は返済不能に陥ることを述べた。今回コラムでは、金利が上がった世界で金融機関の融資がどう変わるのかを取り上げたい。
まず誤解を避けるために説明しておくと、政策金利が上がったからといって、支払利息がただちに急増するわけではない。前回の試算に用いた日本旅館協会の統計でも、平均的な施設が払う金利は1.57%にとどまる。ゼロゼロ融資や制度融資など、低い固定金利の借入が多く残っているためだ。返済が進むにつれて既存借入の残高は減り、設備資金や運転資金を新たに借りる際に市場金利が適用される。
コロナ禍の後に条件変更を続けている宿では、見直しの際に金利の引き上げを求められ、高い金利への置き換えが早く進みやすい。有利子負債全体の平均金利は、時間をかけて今の2倍から3倍の水準に近づいていくと考えておきたい。
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