食材や調味料の情報が分かるピクトグラム
前回は、年間30万人を突破し、急成長するインドの訪日市場の熱気についてお伝えしました。今回は、彼らを日本で迎えるにあたり、現場で最も深刻な課題となっている「食の受け入れ体制」、特にインド独特の「ベジタリアン」の多様なグラデーションと対応策についてお話しさせていただきます。
インド人の食習慣は、宗教やカーストと深く結びついており、私たちがイメージする欧米の菜食主義(ヴィーガンなど)とは大きく異なります。実はインド人口の約3割から4割がベジタリアンであるとされ、その大半は「ラクト・ベジタリアン(乳菜食)」と呼ばれるタイプです。これは肉や魚、卵は一切口にしませんが、牛乳やヨーグルト、バターといった乳製品は積極的に摂取します。インドでは、卵は「ノンベジ(肉食)」に分類されるため、洋菓子などで使用されている卵も彼らにとってはタブーとなります。
さらに厳格なのが、不殺生を徹底するジャイナ教徒の「ジャイナ・ベジタリアン」です。肉や魚、卵に加え、玉ねぎ、にんにく、じゃがいも、人参といった「根菜類(根の野菜)」を避けます。土の中で育つ野菜は、引き抜く際に土中の微生物や虫を殺してしまうこと、また植物自体の命を根絶やしにすることを避けるという教義に基づくためです。
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