日本通訳案内士団体連合会 一社化で体制強化 「声を一つに」長年の課題


設立記念式典で来賓、会員が乾杯

設立記念式典で来賓、会員が乾杯

 任意団体として2021年10月から活動してきた日本通訳案内士団体連合会(JAGO、以下・通団連)は1日、一般社団法人化により新たなスタートを切った。全国各地の16団体が加盟する連合会で、加盟団体に所属する会員数を合わせると約3千人に上る。通訳案内士を取り巻く環境は、訪日インバウンド市場の拡大の一方で、通訳案内士法の改正、コロナ禍などで大きく変化しており、長年課題だった連合会の体制を強化することで、政策提言や人材育成に注力する。

 会長には、通訳ガイド&コミュニケーション・スキル研究会理事長のランデル洋子氏が就任した。副会長には、米原亮三氏(日本文化体験交流塾理事長)と水谷みずほ氏(九州通訳・翻訳者・ガイド協会会長)。専務理事には水谷浩氏(日本中国語通訳案内士協会会長)が就いた。

 ランデル会長は、9月29日に東京都内で開かれた設立記念式典で、「業界一丸で立ち向かうべき課題が多くある。地域を問わず、団体を問わず、全国の通訳案内士の声を集め、その要望や提案を行政、関係者に伝え、働き掛けることが大事。さまざまな現場で通訳案内士が誇りを持ち、才能を発揮して働ける環境をつくっていきたい」とあいさつした。

政策提言や人材育成に注力

 重視する取り組みには、政策提言、要望活動のほか、通訳案内士の育成・確保、加盟団体・通訳案内士間のコミュニケーションの推進などを挙げている。受け入れ態勢の整備を通じて、観光庁などが推進するインバウンドの地方誘客の拡大にも協力していく。

 通団連は現在、正会員7団体、準会員8団体、賛助会員1団体の計16団体で構成。通訳案内士の団体は小規模なグループを含めて全国各地で多数の組織が活動しており、今後も連合会への参画を呼び掛ける。加盟団体数の目標には50団体を掲げている。

 通訳案内士を巡っては、17年6月公布、18年1月に施行された改正通訳案内士法で、業務独占から名称独占へと制度が変更され、資格を持たない人にも業務が解禁された。コロナ禍では訪日外国人旅行者が実質ゼロになる苦境に陥った。要望・提言活動の必要性が高まる中、通訳案内士の各団体の意見を集約する連合体の創設が長年の課題になっていた。

 設立記念式典であいさつに立った観光庁の蔵持京治次長は、通訳案内士法の改正時に観光庁の担当課長だった。「皆さまといろいろと意見交換させていただいたが、当時の有識者会議の提言の一つが、通訳案内士の声を一つにする団体をつくるということだった。一般社団法人化を通じて皆さまの声を一つにしていただき、観光庁と共に課題を解決していこう」と述べた。

 設立記念式典には、通団連の顧問に就任した衆院議員の國場幸之助、鬼木誠、美延映夫の各氏が駆け付けた。観光庁、日本政府観光局(JNTO)、旅行会社などの幹部も来賓として出席した。

 通団連では、正会員、準会員以外にも、通訳案内士の活動を支える企業・団体などを対象に賛助会員を募っている。通団連ホームページでの記事・広告掲載、イベントへの招待などの特典を用意している。

 ◆日本通訳案内士団体連合会の10月1日時点の会員は次の通り。

 正会員=茨城県通訳・観光文化協会、日本文化体験交流塾、通訳ガイド&コミュニケーション・スキル研究会、日本中国語通訳案内士協会、全日本韓国語通訳案内士会、ひろしま通訳・ガイド協会、九州通訳・翻訳者・ガイド協会

 準会員=北海道通訳案内士協会、栃木県通訳案内士協会、富士の国やまなし通訳案内士会、ふじのくに静岡通訳案内士の会、和歌山地域通訳案内士会、島根県通訳案内士会、沖縄通訳案内士会、通訳案内士による青森インバウンドを促進する会

 賛助会員=インバウンドガイド協会

 【向野悟】

設立記念式典で来賓、会員が乾杯

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ランデル洋子会長

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