【逆境をチャンスにー旅館の再生プラン 818】金利のある時代の宿経営(1) 青木康弘


青木氏

 2024年初めの本コラムで、宿泊業界にとって最大の懸念事項は金利の上昇であると述べた。当時はマイナス金利政策下で、長期金利も0.7%前後だった。日本銀行はその後マイナス金利を解除して利上げを重ね、今年9月には政策金利を1.25%程度へ引き上げた。長期金利も同月に3%を超え、当時紹介した試算が2026年度末に想定した3.5%に近づいている。金利は懸念した通りに動いていると言ってよい。

 しかも、利上げの到達点について市場関係者の見立ては相次いで引き上げられている。一方で、宿の業績への打撃はまだ表面化していない。低金利時代の固定金利の借入が残り、値上げが利払いの増加を吸収してきたためだ。今回コラムでは、金利のある時代の宿経営を考えてみたい。

 宿泊業は装置産業であり、客室の改装や空調・ボイラーの更新など、10年から15年ごとに大きな投資が必要となる。その資金の大半を借入で賄う以上、今後10年の投資計画には金利の見通しを織り込む必要がある。

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