TripX、旅館・ホテル向け「Tripbox ダイナミックプライシング」の提供を開始 AIと人の共存で料金を自動制御


 株式会社トリップエックス(本社:神奈川県横浜市、代表取締役CEO:西村拓人、以下「TripX」)は10月1日、宿泊施設向けAIプラットフォーム「Tripbox」の新プロダクトとして、旅館・ホテル向けの「Tripbox ダイナミックプライシング」の提供を開始した。

 株式会社シーナッツ(本社:東京都港区)が提供するサイトコントローラー「TL-リンカーン」と連携し、AIが算出した価格をTL-リンカーン上の料金へ自動で反映する仕組みだ。「ただAIに丸投げするのではなく、人とAIとが共存することでより精度の高い料金変動が行える」と、西村CEOは語る。

料金変更を担える人材不足が背景に

 旅館・ホテルでは、需要に合わせた料金の見直しが売上を大きく左右する。宿泊料金は楽天トラベルやじゃらんnetなど複数の旅行予約サイト(OTA)で販売されており、多くの施設は「サイトコントローラー」と呼ばれるシステムで、各OTAの在庫と料金を一元管理している。

 一方、料金の変更そのものは、担当者が料金ランクを一つずつ手作業で切り替えている施設が少なくない。日々の細かな調整まで手が回らず、動かすときには変更の幅が大きくなりやすい。人手不足が続くなか、価格を担える人材が限られていることも、料金の見直しが後回しになる要因だ。

 また、ホテル向けに設計された汎用のダイナミックプライシングは、稼働率に応じて価格を大きく上下させるものが多く、「安売りでブランドを損ねたくない」「自社サイトとOTAの価格差を崩したくない」という旅館の事情とかみ合わないケースもあった。

 こうした課題に対応するため、TripXはこれまで「Tripbox レベニューダッシュボード」を通じて全国40施設以上のレベニュー管理を支援してきた。2026年には同ダッシュボードに、先2ヶ月の着地を日ごとに読む「需要予測」機能を搭載。この需要予測を「価格の反映」まで自動でつなげるために開発したのが「Tripbox ダイナミックプライシング」だ。

 箱根の宿泊施設・ホテルおかだで先行して運用してきた仕組みをもとに、全国の旅館への提供を開始する。

AIが動かすのは「割引率」のみ 定価は施設が決める

「Tripbox ダイナミックプライシング」は、レベニューダッシュボードの需要予測と連動し、AIが宿泊料金を自動で算出・反映するサービスだ。

 重要な点は、AIが動かすのは早割・直前割などの割引率だけであることだ。ベースとなる料金(定価)は、これまでどおり施設が決めて固定する。割引の幅も、施設があらかじめ設定した上限・下限の範囲に収まる設計となっている。

 需要が強い日は早割を止めて定価のまま売り切り、弱い日は早めに割引を広げて取りこぼしを防ぐ。例えばベース料金が25,000円のプランなら、混み合う日は割引なしの25,000円、埋まりが鈍い日は20,000円〜23,000円の範囲で、需要に応じて日ごとに価格が動く。この調整を、担当者が管理画面を操作しなくても毎日継続できる。

 算出した価格は、サイトコントローラー「TL-リンカーン」との連携によりTL-リンカーン上の料金へ自動で反映され、TL-リンカーンを通じて各OTAの販売価格に配信される。

5つの主な特徴

「Tripbox ダイナミックプライシング」の主な特徴は以下の5点だ。

① 需要予測に連動した自動価格調整

 レベニューダッシュボードが予測した日ごとの稼働見通しをもとに、AIが割引率を日々調整する。担当者が料金ランクを一つずつ切り替える作業は不要となる。

②「TL-リンカーン」連携でOTAの販売価格まで自動反映

 AIが算出した価格を、サイトコントローラー「TL-リンカーン」上の料金へ自動で反映する。各OTAへの料金配信はTL-リンカーンの仕組みを通じて行われるため、施設が複数のOTA管理画面を開いて料金を変更する必要はない。

③ 上限・下限は施設が決める

 AIが価格を動かすのは、施設が設定した上限・下限の範囲内だけだ。大きな上振れ・下振れを抑え、ブランドを守りながら収益の積み上げを目指せる。

④ 100円単位の細かな価格変動

 従来のランク切り替えのような段階的な変更ではなく、需要の変化に合わせて100円単位で価格を調整する。

⑤ 旅館の事情に合わせた価格設計

 休前日・ショルダー・特日など、日区分ごとに価格を設計できる。自社サイトとOTAの価格差を保ったまま運用でき、すべての価格変動は「履歴」画面でいつでも振り返ることができる。ダイナミックプライシングの停止や変動幅の変更も、管理画面からいつでも実行可能だ。

西村CEOのコメント

TripXの代表取締役CEO・西村拓人氏は次のようにコメントしている。

 「これまでTripbox レベニューダッシュボードを通じて、全国の旅館・ホテルの皆様にレベニューにまつわるデータの分析のご支援をさせていただきました。その中でも特にご要望の多かった料金変動の自動化、ダイナミックプライシングをこの度リリースすることができました。ただAIに丸投げするのではなく、人とAIとが共存することでより精度の高い料金変動が行えると感じております。今後とも、旅館・ホテルの皆様の経営のお役に立てるよう尽力してまいります。」

Tripboxとは

Tripboxは、旅館経営の課題を「見える化」と「自動化」で解決するAIプラットフォームだ。「売上拡大 AI」「業務効率化 AI」「コスト改善 AI」「施設管理 AI」の4カテゴリ・合計12のAIをラインナップしており、施設の課題に応じて必要なAIを1つから導入できる。

 各カテゴリの内訳は以下のとおりだ。

  • 売上拡大 AI:レベニューダッシュボード、ダイナミックプライシング、競合分析、口コミ分析AI
  • 業務効率化 AI:AIメール、AI電話、レストラン配席AI、社内ナレッジ検索AI
  • コスト改善 AI:仕入れ分析、人時生産性分析
  • 施設管理 AI:混雑カメラAI、温泉タンク管理AI

TripXについて

 TripXは、宿泊・観光地のDX/AIに特化した東大発スタートアップだ。2025年4月に設立。宿泊事業者への生産性向上プロダクト「Tripbox」の提供や、観光地と連携したソリューションの開発を手がける。ホテルおかだ常務取締役・日本旅館協会EC/DX委員長の原洋平がCOOを務め、現場知見をもとにしたAI活用を推進している。

 「Tripbox ダイナミックプライシング」の詳細や活用イメージについては、Tripboxの公式サイト(https://trip-box.jp/)で案内している。

 
 

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