「このまま進むと、ちょっとまずいかな。でも、今のところ悪影響はないから、まあ、しばらくこのままでいいか」―。お宿の現場で、こうした「先送り」をしてしまうことはないでしょうか。この先送りが引き起こす大きなリスクの一つが「属人化」です。
あるお宿に、商品造成、エージェント別の取引、料金政策、在庫調整などを一手に担う、極めて優秀な予約課長がいます。数字に強く判断も早い彼は、経営者にとって「任せておけば安心」な存在。「何事も自分でやったほうが早い」と仕事を抱え込み、手順や判断基準は明文化されていませんでした。周囲も「分からなければ課長に聞けばいい」と依存し、いつしかそこが組織の聖域となっていたのです。
ところがある日、その課長が不慮の事故で長期間仕事ができなくなりました。そこで初めて、「課長がいないと何をどうすればいいのか分からない」という危機に直面します。今まで問題なく回っていた業務が停止しかけ、現場は大混乱。これが「属人化」の恐ろしさです。
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