渡辺氏
JTBのビジネスソリューション事業は、企業におけるコミュニケーション分野の課題解決をサポートする案件を扱う。事業の大きな柱が「ミーティング&イベント」(M&E)領域。企業の顧客向け、従業員向けのビジネスイベントなどの企画・運営を担っている。
「M&E」では、顧客向けに開催する商品発表会や展示会、また、従業員向けの社内表彰式や周年記念イベントなどをプロデュースしており、さまざまなイベント、会議に関して、宿泊施設や観光地と連携して事業を展開している。
「M&E」に加え、企業のマーケティング課題に応える「プロモーション」領域にも取り組んでいる。ブランドプロモーション、商品・サービスのサンプリング、ファンづくりなどを通じ、企業と消費者との新たな接点を創出している。
JTBの「プロモーション」は、宿泊施設や観光地と連携することで、旅行のあらゆる場面や場をプロモーションに生かす提案に特徴がある。旅マエ、旅ナカ、旅アトにさまざまなタッチポイントをつくり、リアルな体験、体感を通じて企業のニーズに応えていく。
JTBでは、宿泊施設や観光施設、イベント、移動空間、地域など、人がリアルに集い、体験する「場」を、人と企業・ブランド・地域が出会い、体験を通じて新たな関係性や価値が生まれる接点と捉えている。こうした考え方を「交流メディア」と呼び、「M&E」や「プロモーション」、インバウンドなど、さまざまな領域での活用を目指している。
「交流メディア」の考え方を「プロモーション」領域で具現化した一例が、今年6月から実施中の大手飲料メーカー、サントリーの案件。ジャスミン焼酎「茉莉花」をジャスミン茶で割った同社の商品「JJ」を沖縄県名護市のカヌチャリゾートでPR。心地よい香りと軽やかな味わいが特徴の商品を人気リゾートで宿泊客らに訴求する試みだ。

カヌチャリゾートでの「JJ茉莉花」プロモーションの一例
「JJ茉莉花」プロモーションでは、ホテル、レストラン、ゴルフ場、ビーチサイドなど、カヌチャリゾート全体を「交流メディア」として活用。ポスター、POP、のぼり旗の設置、サンプリング、オリジナルメニューの提供などを10月末(予定)まで展開する。リゾート体験の一部として商品を体験してもらい、売り上げアップにつなげる。
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「交流メディア」の展開についてJTB常務執行役員ビジネスソリューション事業本部長兼事業推進部長の渡辺紳氏に聞いた。
――「交流メディア」の背景は。
ビジネスソリューション事業は、M&E領域のウエイトが大きいが、プロモーション領域も伸ばしていく。企業のプロモーションにおけるニーズとして、宿泊施設や観光地の世界観に関心を持つ企業が増えている。そこで宿泊施設や観光地の価値を「交流メディア」と捉え直し、関係者の理解を得ながら、事業基盤を整えているところだ。
――発揮する強みは。
JTBは114年の歴史の中でお客さまと地域をつなぐさまざまな交流をつくり上げてきた。宿泊施設をはじめ観光関係者との関係性があってこそ「交流メディア」のビジネスモデルが成り立つ。企業と観光地の世界観をつなげ、消費者の旅の行動に伴走させていただき、企業が求めるプロモーションを展開していく。旅の楽しい思い出と共に、企業のブランドや商品・サービスのイメージを浸透させ、消費行動につなげていく。
――宿泊施設や観光地への提案は。
宿泊施設であれば、宿泊や食事の提供とは異なる、空間から利益を生み出すビジネスモデルだと捉えてほしい。もちろん企業のプロモーションが、宿泊施設が培ってきたブランドとマッチしないようでは、「交流メディア」は成り立たない。どのようなマッチングを提案するか、そこにJTBの真価が問われる。宿泊施設・観光地、企業、JTBのトライアングルで新たなビジネスモデルを構築していきたい。

渡辺氏




