熊本地震、猛暑酷暑、熱中症アラート、沖縄奄美地方に相次いで襲来した台風、それらに刺激された秋雨前線の発達により、各地で線状降水帯やゲリラ雷雨が発生し、千葉、石川、富山に続いて、宮崎、鹿児島、岐阜、名古屋と洪水や浸水のニュースが毎日のように流れていた。東京は8月下旬から17日間連続で雨に見舞われた。名古屋市の降水量が1時間に104.5ミリと観測史上最大となった。そんな状態で、天候に大きく左右される観光業は大きな痛手となった。
さらには例年より早いインフルエンザ流行の兆しがあるとの報道で、旅行マインドが下がり続けている。私が経営の手伝いをしている宿泊や観光施設では数百泊のキャンセルや売り上げの対前年割れが続く。期待は例年にない休日の並びとなった9月19日から23日までのシルバーウイークで、挽回したいものである。
しかし、報道機関の調査でシルバーウイークに旅行に行くかとの問いに対して行くと答えた人は20%を切る状態である。期間中の宿泊料金が前週と比べて何割も高い。中には、割ではなく数倍になる場合もある。部屋も料理もサービスも変わらないのに、いや、大浴場は芋の子を洗うように混み合い、食事がバイキングならトレーを持って長蛇の列に並ぶことになる、さらには、現地に向かう交通も渋滞に遭うなど旅行費用に対する満足度は下がる要素ばかりである。
品質(内容・料理・サービスなど)が変わらず、カレンダーの並びだけで料金が大きく異なるのは、人の弱みにつけ込んだ品の悪い商売の仕方である。特オンデイの割高感が何年もの間に染みついてきている。その金額が通常で、平日閑散期が特別割引だと反論するかもしれないが、平日料金がとても得だと考える人が多ければ、休みを取ってでも行きたいと思う金額で平日を満員にすればいい。それで成功した事例はいくつもある。
これらの傾向により、ゴールデンウイークも夏休みも、宿泊を伴う旅行に出掛ける人の比率が下がっている。鳴りもの入りの物価高対策がいまだ確定には至らず、日々の暮らしに金銭的にも精神的にも余裕がなかったり、先行き不安が解消されず、観光消費に向かない状況にある。そんなことから私もシルバーウイークは出掛けない派になった。
10月から始まる「九州ふっこう応援割」の政策は方法の一つであるが、同じ自然災害である大雨洪水の影響も少なくない。言い出したら切りがないが、観光のその日の商品は次の日にはなかったように消えてしまい、在庫として抱えられない。二度とその日は帰ってこない。大敵自然災害と、もっと大敵の国民の懐(経済的・精神的)の余裕のなさの解消が旅へのマインドになる。日本の希望満ちあふれる未来と所得倍増計画が必要となる。
政治の役割が大きい。日本の幸福度ランキングは51位である。先進国の仲間入りができる10位以内になってほしい。インバウンドを受けるだけの国になってはならない。




