旅行関係の新語知名度ランキング、1位は「ワーケーション」 2位「オールインクルーシブ」、3位「マイクロツーリズム」 阪急交通社が調査結果を公開


 阪急交通社は9月10日、旅行関係の新語に関する知名度ランキングを公開した。1位となったのは「ワーケーション」で、知名度調査の対象は2019年頃から注目を集めるようになった用語。全国の20代以上の男女518名を対象にWebアンケートで実施した。

 調査期間は2026年5月15日から5月22日。調査機関は株式会社ジャストシステム(「Fastask」利用)。

 知名度は「実際に行ったこと、やったことがある」「何のことか知っている」「聞いたことがあるが、何のことかよく知らない」を選んだ人の合計による割合で算出。「オーバーツーリズム」をはじめとする体験を伴わない用語は選択肢から除外されている。

 ランキングの全体について阪急交通社は、「多様な働き方や体験・過ごし方の質、新しい旅行スタイルを反映した言葉が見られた」としている。また、「近年注目を集める旅行関係の新語からは、単に観光地をめぐるだけでなく、旅先での体験や過ごし方そのものを重視する多様な旅行スタイルが浸透しつつあることがうかがえる」とも述べている。

 以下、ランキングの詳細を順に紹介する。

1位 ワーケーション

 「ワーク(仕事)」と「バケーション(休暇)」を組み合わせた言葉。観光地やリゾートなどの旅先で働きながら休暇も楽しむ過ごし方を指す。新型コロナウイルスの流行を機にテレワークが広がり、働く場所の自由度が高まったことで注目を集めた。多様な働き方の推進や、旅行期間の長期化、平日の旅行需要の喚起につながる新しい旅のかたちとして定着が進んでいる。

2位 オールインクルーシブ

 宿泊代に食事や飲み物、各種アクティビティなどの料金があらかじめ含まれている滞在スタイル。追加での支払いを気にせず、その施設のサービスを漏れなく楽しめるところから人気となり、オールインクルーシブを採用するホテル・旅館が増えてきている。財布を持たずに楽しめる解放感や追加費用を心配しなくて良い安心感が、ゆったりと贅沢な時間を過ごしたい旅行者に支持されている。

3位 マイクロツーリズム

 自宅から1〜2時間程度の近場を訪れる、近距離の旅行スタイル。遠出を控える傾向が高まった時期に、身近な地域の魅力を再発見する旅として注目された。住み慣れた地域の中にある魅力をあらためて見つめ直し、地元の食や文化、自然に触れられる点が特徴。移動の手間や費用を抑え、気軽に出かけられる点もメリットだ。

4位 イマーシブ体験(没入型体験)

 「没入型体験」とも呼ばれ、映像や音響、演出などの最新技術を駆使し、物語や仮想空間の世界に入り込んだかのような感覚を味わえる体験を指す。デジタル技術の進化を背景に、美術館やテーマパーク、観光施設などさまざまな場面で取り入れられるようになった。体験重視の能動的な旅を求める層を中心に、注目を集めている。

5位 タウンサイジング

 大都市ではなく地方の小さな町に滞在し、その土地ならではの暮らしや文化に触れる米国発のスタイル。喧騒から離れて心を落ち着かせたいという志向の高まりや、ローカルな暮らしへの憧れを背景に注目されるようになった。有名観光地をめぐるのではなく、地域の日常に溶け込みながらゆったりと過ごす点が特徴だ。

6位 リトリート

 もともと「避難」や「隠れ家」などを意味する言葉で、日常から離れた静かな環境に身を置き、心身を整える過ごし方のこと。自然豊かな場所でゆったりした時間を過ごす滞在を通じて、ヨガや瞑想、温泉などでリフレッシュする旅のスタイルとして広がった。

7位 チル旅

 「まったりと過ごす」「くつろぐ」という意味の英語「chill(チル)」に由来する旅のスタイル。観光名所をめぐることよりも、カフェでくつろいだり景色を眺めたりと、ゆるやかな時間そのものを楽しむ。

8位(同率) ライブツーリズム

 コンサートや音楽ライブ、スポーツの試合などへの参加を目的に旅をするスタイル。エンターテインメント市場の盛り上がりや「推し活」の普及を背景に注目を集めている。

8位(同率) アドベンチャーツーリズム

 自然、アクティビティ、文化体験の3つの要素のうち、2つ以上を組み合わせた旅行スタイル。トレッキングやカヌーなどを通じて自然を肌で感じながら、伝統文化にも深く触れられる点が特徴だ。

8位(同率) 旅ガチャ

 カプセルトイの「ガチャ」のように、行き先や旅程をあえて運任せにして決める旅の楽しみ方のこと。出発直前まで目的地がわからないものやくじ引きのように行き先が決まるサービスなどが登場し、話題を呼んだ。

 阪急交通社は「チル旅」や「旅ガチャ」について「気軽さや遊び心を感じさせる新語」と位置づけている。

11位 ファンツーリズム

 特定のスポーツチームや芸能人、アニメ、キャラクターなどのファンとしての活動を目的とした旅行。応援するチームの遠征試合の観戦や関連するイベントへの参加だけでなく、ゆかりの地をめぐる旅なども含まれる。

12位 サ旅

 サウナを主な目的として、全国各地の温浴施設やリゾート地をめぐる旅行スタイル。近年のサウナブームを背景に、こだわりのサウナ施設や大自然の中で体験できるアウトドアサウナなどを目指して旅をする人が増えてきた。

13位 おてつたび

 「お手伝い(短期アルバイト)」と「旅」を組み合わせた人材マッチングサービスの名称。旅先で農作業や宿の業務などを手伝いながら滞在するというスタイルが注目を集め、2025年の新語・流行語大賞にノミネートされた。

14位 ウェルネスツーリズム

 旅を通じて心身の健康づくりを目指す過ごし方のこと。温泉や自然の中でのアクティビティ、健康に配慮した食事を取り入れるなど、リフレッシュしながら活力を取り戻す点が特徴だ。

15位 バケーションレンタル

 コンドミニアムや別荘などの貸切物件を、一定期間レンタルして滞在する旅行スタイル。キッチンやリビングを備えた一棟をまるごとプライベート空間として利用できるため、暮らすように滞在できる点が魅力とされる。

16位 ガストロノミーツーリズム

 その土地の食材や料理、食文化にふれることを主な目的とした旅のスタイル。単にグルメを楽しむだけでなく、食材が育まれる風土や歴史、生産者の思いまでをも含めて体験できる点が特徴だ。

17位 チェアリング

 持ち運びができる折りたたみ椅子をお気に入りの場所に設置して、のんびりと景色や時間を楽しむスタイル。特別な施設ではなく、公園や河川敷、海岸など、自分のペースでリラックスした時間を過ごす。

18位 クールケーション

 「クール(涼しい)」と「バケーション(休暇)」を組み合わせた言葉で、暑さを避けて涼しい地域で過ごす旅のスタイル。今回の調査で最も知名度が低かったが、阪急交通社は「世界的な猛暑もあり、認知度を上げて定着しつつある」としている。年々厳しさを増す夏の暑さを背景に、涼を求めて過ごし方を工夫する旅として注目されている。

 今回の調査は、2019年頃から新たに注目を集めはじめた用語を対象としたもの。阪急交通社は2018年にも旅行関連の新語・流行語の調査を実施しており、当時は「聖地巡礼」や「ナイトプール」といった言葉が上位に挙がっていた。SNS映えや「コト消費(体験に重きをおいた消費)」への関心が高まっている様子がうかがえる結果だったとしている。

 今回の調査結果や各用語の詳細は、阪急交通社の公式ブログで確認できる。前回2018年の調査結果は以下のURLで公開されている。

https://blog.hankyu-travel.com/newsrelease/2018/06/trend-keyword.php?p_baitai=9599

 
 

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