最大震度7という熊本地震は、多くの死者や、家屋の倒壊、商業施設の爆発、鉄道、道路、水道、電気などのインフラ遮断といった甚大な被害をもたらした。しかし、九州の他県への影響は少なく、秋の修学旅行は風評に惑わされることなく実施してほしいものである。
戦後81年目の夏を迎えた。ヒロシマ、ナガサキと平和記念式典が開催され、世界百数十カ国からの参加があった。ロシア・ウクライナ戦争は4年半が経過し、終わりそうで終わらないイスラエルのガザ地区侵攻や、イランと米国の核開発やホルムズ海峡をめぐる覇権争いも先行き不透明である。唯一の被爆国である日本の外交的な役割は大きい。併せて平和学習の必要性も高い。
日本の人口が1億2千万人を割り込んで、1億1907万8千人となった。地方の人口減少が著しく、人口や経済格差は広がるばかりである。食料自給率(カロリーベース)は37%と過去最低となった。ちなみに東京は0%、大阪は1%、神奈川は2%であり、大都市圏の食料は、日本の地方の食料生産現場である農山漁村と輸入食材に頼ることになる。
日本では、人口減少と地方の衰退、自然災害への備え、1次産業と食糧の問題、クマなどの獣害対策、自然との共生など課題が山積している。地球温暖化やエネルギーなど、地球規模の社会的課題もある。それらは、いずれも未来を担う青少年の課題でもある。他人事ではなく、自分事として捉えて、社会課題を探究学習のテーマとして取り組んでほしい。地方は探究学習の宝庫である。
文科省はスマートフォンの使用時間と全国一斉学力テストの正答率との関係を調査し、その結果を発表した。中学生で1日3時間以上の正答率は49.1%となり、30分以内の生徒に比べて約21ポイントも低い結果となった。さらには、ゲームやユーチューブ視聴などを合わせると学習時間の確保がままならない状況である。
せっかくの夏休みに「熱中症注意・外出を控えて」のテロップがテレビから連日のように流れていた。自然の中で遊ばす、室内で電子機器とのにらめっこばかりでは、コミュニケーション機会も少なく、人間関係構築能力が育まれない。
2030年に向けた新学習指導要領では、かねてからの「主体的・対話的で深い学び」や「探求学習」は踏襲され、自らが考え課題解決に向かう姿が求められることになる。スマホ、SNS、ゲームなどのバーチャルな世界に生きる生徒にとっては「解」が求められるか心配である。体験値が少なく、知見が乏しい生徒たちに真実に直面する体験の場が与えられるかが重要である。教育は機会を与えることから始まる。
本紙の中学校教育旅行特集では、安全安心で教育効果が高い、全国ほんもの体験ネットワークならびに全国教育民泊協会の会員が今特集に掲載されている。いずれも自然体験、農林水産業体験、教育民泊、ものづくり、歴史文化体験、食文化体験などを通じて、探究学習手法で人間力を養う体験学習の適地である。
ぜひ貴校の学校行事への活用をお願いします。




