東京都産業労働局は9月14日、武蔵野美術大学と連携した観光経営人材育成講座「VCP for TOKYO Tourism 2026 ―観光のリフレーム―」の受講者募集を開始した。
募集期間は2026年10月14日(水)まで。受講料は無料で、定員は25名程度。応募者多数の場合は選考となる。
美大ならではの「デザイン経営」人材育成
東京都は、景気動向や災害発生など外的要因による影響を受けやすい観光産業において、これらに的確に対応できる観光経営人材を育成するため、大学等と連携し、観光関連事業者に向けた新たな教育プログラムの開発・実施に取り組んでいる。
今回の講座を担う武蔵野美術大学は、同プログラムを「VCP(Value Creation Program)for TOKYO Tourism」と位置づけている。VCPとは、美術大学として武蔵野美術大学が培ったアート・デザイン教育で得た知見を活用した価値創造人材育成プログラムだ。
2026年度のテーマは「観光のリフレーム」。アート&デザインの視点から東京の観光を捉え直し、新たな文化資源を見出すとともに、観光の未来を共に考える実践プログラムと位置づけられている。
デザイン経営の観点から顧客に響くブランド作りやイノベーションについて学ぶ実践型のプログラムであり、人・社会・自然の魅力を捉え直し、観光につながる新たな価値を創出する力と、持続性が高い事業と地域の関係性を構築する力を身に付けることを目指す。
申し込みは、武蔵野美術大学のホームページ(https://vcp.musabi.ac.jp/tourism/)から受け付けている。

全6講座+伊豆大島フィールドワーク
講座は2026年11月10日から2027年2月2日にかけて全6回実施される。各回は150分程度。会場は武蔵野美術大学市ヶ谷キャンパス(東京都新宿区市谷田町1-4)7階のコワーキングスペース「Ma」で、対面方式のみの実施となり、オンライン開催はない。
講座のスケジュールは以下のとおり。
- DAY1:11月10日(火)18:00〜20:30
- DAY2:11月24日(火)18:00〜20:30
- DAY3:12月8日(火)18:00〜20:30
- DAY4:2027年1月13日(水)18:00〜20:30
- DAY5:2027年1月16日(土)10:00〜18:00
- DAY6:2027年2月2日(火)18:00〜20:30
さらに、任意参加のフィールドワークが2027年2月27日(土)から2月28日(日)にかけて伊豆大島で実施される予定だ。
各講座の内容と担当講師
DAY1では、「オリエンテーションとサービスデザイン概説」をテーマに、観光サービスにおいてこれまでの顧客像を脱・中心化し、新しい経験価値を生み出す共創パートナーとして位置づけ、地域社会を豊かにする観光の事業機会を探索する「サービスデザイン」を学ぶ。担当は武蔵野美術大学造形構想学部クリエイティブイノベーション学科教授の丸山幸伸氏。
DAY2のテーマは「文化を、未来の価値に変える― 強く、美しいブランドのつくり方」。地域には、まだ価値として言語化されていない文化や営みが数多く存在するとし、そうした土地固有の文化を見つけ、磨き、未来へつながるブランドへと育てる方法を考える。ブランドを「広告や見た目ではなく『意思決定の積み重ね』」と捉え、文化性・社会性・経済性をつなぎながら、長く愛される強く美しいブランドの作り方を、国内外の事例と実践から紐解く内容だ。担当は株式会社KESIKI代表取締役CDO、旭川市最高デザイン責任者(CDP)、東北芸術工科大学客員教授の石川俊祐氏。
DAY3は「アートから考える観光のリフレーム」。AIや旅行Vlogの普及により旅の目的が多様化・パーソナル化する一方、パンデミック以降のインバウンド急増がオーバーツーリズムを引き起こし、観光は地域住民の生活や経済格差、気候変動といった課題とも無縁でなくなっていることを踏まえ、風景や土地の文脈を捉え直してきた現代アートの発想が観光のまなざしをどうリフレームしうるかを考える。担当は武蔵野美術大学造形構想学部クリエイティブイノベーション学科准教授の石川卓磨氏。
DAY4は「美的秩序と価値循環:観光経営を捉え返す一つのアプローチ」。観光という行為が身体性をともなうことを前提に、享受する側(観光客)と提供する側(観光地を構成する諸アクター)との相互作用に注目し、「美的秩序(aesthetic order)」という概念を用いながら、観光経営とはいかなる営みであるかを考える内容だ。担当は近畿大学経済学部教授の山縣正幸氏。
DAY5は都内フィールドでのワークショップ(10:00〜18:00)。これまでの座学で得られた視点をもとに、写真撮影や素描などのワークを経て気づきをまとめるまち歩き調査と、その視点をもとにしたサービスアイデアの機会について考えるワークショップを行う。担当は丸山幸伸氏。なお、DAY5の移動経費と食費は参加者負担となる。
DAY6は講評。ワークショップの成果発表と、一連の学びを終えたフィードバックを相互に行い、学びを定着させる。担当は丸山幸伸氏と石川卓磨氏の両名。
任意参加の伊豆大島フィールドワーク
全講座終了後の2027年2月27日(土)・28日(日)には、伊豆大島でのフィールドワークが任意参加で実施される。27日がフィールドワーク本番、28日が発表・講評という2日間の日程。担当は丸山幸伸氏。伊豆大島でのフィールドワークに係る渡航・宿泊・食事費用は参加者の負担となる。
対象者と申込方法
受講対象は、観光関連事業等に従事している、または従事予定の方で、都内在住または在勤の方。加えて、文化資源・観光・まちづくりに興味のある方も対象となっている。
申し込みは、武蔵野美術大学のホームページ(https://vcp.musabi.ac.jp/tourism/)から受け付けている。
また、2026年9月28日(月)18:00〜18:30にオンラインでの説明会が実施される予定だ。説明会への申し込みも同ホームページから可能となっている。
受講料は無料だが、DAY5の移動経費・食費および伊豆大島フィールドワークに係る渡航・宿泊・食事は参加者負担となる点に注意が必要だ。
募集期間は2026年10月14日(水)まで。定員は25名程度で、応募者多数の場合は選考となる。






