株式会社サクラクオリティマネジメント(本社:東京都千代田区、代表取締役:北村剛史)は2026年8月24日、GSTC(Global Sustainable Tourism Council/グローバル・サステナブル・ツーリズム協議会)の「GSTC認定認証機関」としてのステータスを正式に取得した。
認定範囲はGSTC承認基準「Sakura Quality An ESG Practice v.1」に基づくホテル・宿泊施設の認証で、地理的範囲は日本。同社の調べ(2026年8月24日現在)によれば、ホテル・宿泊施設分野においてGSTC認定を取得した、日本に本社を置く認証機関としては初となる。

「基準承認」から「認証機関認定」へ――4年余りの歩み
同社が運営する「Sakura Quality An ESG Practice Standard」は、2022年3月24日付でGSTCより「GSTC承認基準(GSTC-Recognized Standard)」として承認されている。
2022年の「基準承認」は、認証に用いる基準そのものが、GSTCのサステナビリティ要求事項である「GSTC Hotel Standard Version 3」と整合していることを確認するものだ。
一方、今回の「認証機関認定」は性質が異なる。その基準を用いて実際に審査を行い、認証を決定する組織および仕組みが、GSTCの認定要求事項に適合しているかどうかを確認するものだ。GSTCは「承認」と「認定」を明確に区別しており、今回の認定はその後者にあたる。
認定にあたっては、認証基準そのものだけでなく、以下の項目について一連の審査を受けた。
- 認証体制および審査手順
- 公平性、独立性および透明性の確保
- 審査員等の力量管理
- 認証決定の仕組み
- 苦情・異議申立てへの対応
- 認証の維持、停止および取消しに関する仕組み
同社は2022年の基準承認以降、認証規則、審査手順、審査員等の力量管理、公平性および独立性の確保、認証決定、苦情・異議申立てへの対応など、認証機関として必要な体制の整備を進めてきた。
同時に、宿泊事業者、自治体、観光圏、DMO(観光地域づくり法人)、有識者、審査員をはじめとする多くの関係者との対話を重ね、実際の審査・検証活動および継続的な内部レビューを通じて、基準と認証制度の双方を改善してきたという。
基準承認から4年余りを経ての認定。同社はこれを「大きな節目であると同時に、認証機関としてさらに重い責任を担う新たな出発点」と位置付けている。
日本語で受けられるGSTC認証という選択肢
今回の認定により、日本の宿泊施設にとって新たな選択肢が加わった。GSTCの国際的な認定制度のもとで、日本語による審査を受けることができる道が開かれたかたちだ。
同社は今後、「Sakura Quality An ESG Practice」を認証の参照基準として用い、日本の法制度、商慣行、地域特性および宿泊施設の実情を踏まえながら、GSTC Certificationを提供していく方針だ。
狙いは、日本の宿泊施設が国際的に認められたベストプラクティスに沿った、信頼性の高いサステナビリティ認証を取得する機会を一層広げることにある。
代表・北村剛史氏が語る「信頼の循環」
代表取締役の北村剛史氏は今回の認定についてコメントを発表した。
「当社は2012年3月の設立以来、宿泊施設の品質、安全・安心、持続可能性を客観的に見える化し、その価値を社会へ正しく伝えることを目指してまいりました」
北村氏は宿泊施設の役割についてこう述べる。「宿泊施設は、単に旅行者が泊まる場所ではありません。地域の文化や魅力を伝える玄関口であり、雇用を生み、地域産業を支え、人と人との交流を育む、観光市場の重要な基盤です」
だからこそ、持続可能性を評価する認証機関には「高い専門性だけでなく、公平性、独立性、透明性、そして何より誠実さが求められる」と強調する。
認証の在り方についても明確に言及した。「認証を多く発行することよりも、一つ一つの認証が社会から長く信頼されること。それこそが、私たちの変わらぬ姿勢です」
認証取得施設の努力が、旅行者、旅行会社、企業、地域社会をはじめとする国内外の関係者から正当に評価され、その評価が施設の成長と地域の持続的な発展につながっていく——そのような「信頼の循環」を一つ一つ丁寧に築いていくと、北村氏は述べた。
「誠実な認証」とは何か
同社が掲げる「誠実な認証」の考え方も明らかにされた。
「持続可能性は、理念や宣言を掲げるだけで実現できるものではありません」と同社は説明する。環境負荷の低減、地域経済への貢献、従業員の尊重、文化の保全、安全・安心の確保、適切な組織運営などの取り組みが、日々の事業活動の中で具体的かつ継続的に実施され、その状況を客観的な証拠によって確認できることが重要だとの立場だ。
審査と認証決定は、事業者の規模、知名度、ブランド、資本関係などによって判断を変えることなく、定められた基準と客観的な証拠に基づき公平に行う。
基準への適合が確認できない場合には、必要な是正が完了するまで認証を行わない。認証後に重大な問題が確認された場合には、定められた手続に従い、認証の停止または取消しを含む適切な対応を行うとしている。
この厳格さについて同社は、「事業者を排除するためのものではない」と説明する。認証を取得した宿泊施設の努力と価値を守り、旅行者や地域社会がその認証を安心して信頼できる状態を維持するためのものだという。
同社が考える「誠実な認証」を、次の三点に集約している。
- 厳格でありながら、現場に寄り添うこと
- 公平でありながら、対話を大切にすること
- 制度の拡大よりも、認証の信頼を優先すること
今後の取り組み
同社は今回の認定を新たな出発点と位置付け、以下の取り組みを継続していく方針を示した。
- 審査員および認証決定者の継続的な教育と力量向上
- 公平性、独立性および透明性を確保した制度運営
- 認証取得後の継続的な確認と適切な認証管理
- 国内外のGSTC認定認証機関をはじめとする関係者との対話および連携
- 認証がもたらす環境・社会・経済面の成果の検証と可視化
- 宿泊施設および地域の実情を踏まえた制度の継続的な改善
「認証制度を運営する者として、自らも学び、検証し、改善し続ける存在でありたい」と同社は述べている。
「Sakura Quality An ESG Practice」の概要
「Sakura Quality An ESG Practice」は、宿泊施設における持続可能性への取り組みを客観的に評価する認証プログラムだ。
持続可能な経営、地域社会および地域経済への貢献、文化の保全、環境負荷の低減、安全・安心、感染症対策、組織理念など、日本の宿泊市場において重要と考えられる視点を含め、宿泊施設の取り組みを総合的に確認する。
認証取得そのものを最終目的とするのではなく、審査と継続的な改善を通じて宿泊施設が地域とともに成長し続けることを重視している点が特徴だ。
2026年8月現在、全国約260施設が本プログラムに参加している。
なお、本プログラムへの参加または従来制度に基づく認証の取得をもって、直ちにGSTC認定下の認証へ移行するわけではない。GSTC認定下における認証は、認定日、認定範囲および同社所定の移行手続に基づき、必要な審査を経たうえで実施される。対象施設には、移行手続および必要な審査内容が個別に案内される。
会社概要
株式会社サクラクオリティマネジメントは、2011年4月に「サクラクオリティ」の制度構想および認証プログラムの開発に着手し、2012年3月に設立された。
観光圏、DMO(観光地域づくり法人)、自治体、宿泊事業者などと連携し、共同品質認証「サクラクオリティ」の普及、宿泊施設向け品質向上プログラムの開発、感染症拡大防止対策、持続可能な観光認証などを通じて、日本の観光市場の発展に取り組んできた。
所在地は東京都千代田区内幸町1-1-1 帝国ホテル内515号室。代表取締役は北村剛史氏(不動産鑑定士・CRE・MAI・FRICS)。ウェブサイトはhttps://sakuraqm.co.jp/。





