JALと大韓航空、60年超の絆を新たなステージへ 戦略的パートナーシップを共同宣言


 日本航空(JAL)は9月3日、大韓航空(Korean Air、以下KE)と戦略的パートナーシップに関する覚書(MoU)に署名し、共同宣言を発表した。コードシェアやマイレージ、ラウンジ、整備、SAF(持続可能な航空燃料)、貨物、LCC連携など多岐にわたる分野での協業深化を宣言。1960年代初頭に始まる60年以上の信頼関係を基盤に、日韓両国間の持続的な経済・文化の発展と、グローバル市場における社会課題の解決を目指す。

 覚書の署名式では、KE副会長のウ・ギホン氏とJAL社長の鳥取三津子氏が署名。9月3日の共同宣言にはJAL専務のレゲットロス氏とKE副社長のチェ・ジョンホ氏が臨んだ。

60年以上にわたる両社の歴史的なつながり

 JALとKEの協力関係の起点は、1960年代初頭に遡る。

 KEの民間航空運航開始当時、JALは技術や運航知見などの提供を行い、両社の緊密な協力により民間航空路線を構築していった。当時、日韓両国間には国交が回復しておらず、通常の政府間航空協定の締結が困難な状況だった。

 そこで両社は交渉を重ね、1963年4月に「日本航空・大韓航空両社提携の基本構想に関する合意書」を締結。翌年、この2社間の合意事項を「両国政府が承認する」という極めて異例の形で、日韓共同運航が実現した。JALは東京=ソウル線を、KEはソウル=大阪線をそれぞれ開設。これが今日の日韓線の礎となっている。

 その後の日韓国交回復を経て両社の提携関係はさらに強固なものとなり、現在でも深い友好関係を維持しながら、日韓の親善や経済発展、文化交流に寄与し続けてきた。

 今回の共同宣言について、JALは「60年以上にわたって両社が築き上げた、深い信頼関係と歴史的なつながりを再確認するとともに、未来に向けて改めて手を携え、日韓両国間の持続的な経済・文化の発展とグローバルな社会課題の解決に貢献してまいります」としている。

2026年12月のKEとアシアナ統合が新たな契機に

 今回の戦略的パートナーシップ締結の背景には、KE自身の大きな変革がある。

 2026年12月17日、KEはアシアナ航空と統合し、世界有数のメガキャリアへと生まれ変わる。これにより、両社のつながりだけでなく、日韓の空も新しいステージへと突入することになる。

 JALは「両社がこれまで培ってきた60年来の信頼関係とつながりを基盤として、未来に向けて、さらなる提携を深化させていくことを改めてここに宣言します」と表明している。

 今回の戦略的パートナーシップは「これまで両社が育んできた強固な協力体制を次なる次元へと引き上げ、日韓を起点としたアジア、そしてグローバル市場において、新しい価値と顧客体験を創造していくもの」と位置づけられている。

協業の全体像 13分野にわたる包括的な取り組み

 今回の戦略的パートナーシップが対象とする協業分野は以下の通り。

  • コードシェア
  • マイレージ
  • ラウンジ
  • 整備
  • SAF(持続可能な航空燃料)
  • カード提携
  • 人財交流
  • 客室/運航訓練
  • イノベーションファンド
  • 貨物
  • LCC連携
  • エアモビリティ
  • グラウンドハンドリング

 これら13分野を軸に、「日韓両国における人流・物流の活性化を強力に牽引し、両国間の持続的な経済発展と文化交流を促進、さらにはグローバル市場における社会課題の解決に貢献する」ことを両社は掲げている。

既存提携の拡大と新規領域での協業

 協業の方向性は大きく2つに整理される。

 第一は、既存提携の拡大と利便性向上だ。コードシェアやマイレージ提携などの既存提携を、アシアナ航空との統合に伴う同社運航便まで拡大・拡充する。「新生KE」の広大なネットワークを生かし、両社の顧客へさらに多様で利便性の高い選択肢を提供する。

 第二は、新規領域での協業による航空業界への貢献と社会課題の解決だ。従来の航空ビジネスの枠を超えた大規模な協業を推進し、急速に変化する航空業界をリードしていく。両社のリソースを結集し、航空分野のサステナビリティ向上に資する取り組みを通じて、社会課題の解決に努める方針。

大韓航空とは

 KEは創業から55年以上にわたり世界各地を結んできたグローバル航空会社。現在では世界トップ20の航空会社に名を連ねる。

 2025年には年間2,500万人以上の顧客を案内。仁川国際空港(ICN)をハブ空港として、世界5大陸・39カ国・116都市に広がるネットワークを展開している。2万人以上のスタッフと166機の最新鋭機材を擁する。

 安全性と顧客サービスにおける評価も高く、スカイトラックス社による「5スター」認定をはじめ、Air Transport WorldやAirline Ratingsからの「エアライン・オブ・ザ・イヤー」受賞など、数々の実績を持つ。

 本社は韓国ソウル特別市。会長兼CEOは趙源泰氏。詳細はwww.koreanair.comで確認できる。

 
 

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