訪日外国人の購買意欲、2026年第2四半期も横ばい 「量から質へのシフト」で落ち着いた動き


 三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社と株式会社インジェスターは2026年8月12日、訪日外国人観光客の購買意欲を測定する「インバウンド購買意欲指数」の2026年第2四半期の結果を発表した。現状水準DI・現状判断DI・先行き判断DIのいずれも横ばいで推移し、訪日旅行が「量から質へのシフト」する中で購買意欲は落ち着いた動きとなった。

 2026年第2四半期の現状水準DIは、前四半期差で±0ポイントの55と横ばいだった。現状判断DIは前四半期差で+2ポイントの52、先行き判断DIは前四半期差で+2ポイントの57と、それぞれ横ばいの水準にとどまった。

 いずれの指数も50を上回っており、訪日外国人観光客の購買意欲は総じて「強い」と判断されている状態が続いている。この指数は50より大きいほど「購買意欲が強い」、小さいほど「購買意欲が弱い」と判断されるものだ。

パンデミック以降の指数の推移

 インバウンド購買意欲指数はこれまで、国内外の情勢に大きく左右されてきた。

 2019年12月以降は新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大により、3つの指数系列すべてが落ち込んだ。2020年3月には現状水準DIが15、先行き判断DIが24と、いずれも調査開始以来の最低値を記録。2020年4月には現状水準DIがさらに最低値(13)を更新した。

 2022年以降は外国人観光客の受け入れ再開により指数は上昇基調に転じた。ほぼ全ての時点で先行き判断DIが現状判断DIを上回り、コロナ禍以降のインバウンド回復への期待感が数値に表れたとみられる。

 2023年8月下旬のALPS処理水の海洋放出開始後には指標が一時低下した。その後、外国人観光客数の拡大が続き指数は高水準で推移したが、2025年11月下旬以降は中国政府が訪日自粛を要請し、中国発の航空便の運休・減便が相次いだことで指数は低下した。

 さらに2026年2月下旬以降は、中東情勢の悪化に伴い中東経由の航空便が運休・減便となり、指標への下押し圧力がかかった。同社は「地政学リスクを含む海外情勢の影響を注視する必要がある」としている。

指数の仕組みと調査方法

 インバウンド購買意欲指数は、訪日外国人観光客によって生じる購買の動向を的確かつ迅速に把握し、関係分野における経営判断・景気判断等の参考資料とすることを目的として開発された指数だ。

 調査は毎月2回、月中と月末時点で実施。アンケートの回収期間はその後の1週間としている。

 調査対象は、株式会社インジェスターが全国の小売店に派遣している販売員。各店舗で取り扱われる全ての商品が調査対象品目となる。店頭で訪日外国人の接客を担当する者を調査客体としており、購買意欲の動向を敏感に察知できる設計となっている。

 主な調査事項は以下の3項目。

  • 訪日外国人観光客による購買意欲の水準に対する現状判断(水準)
  • 前月と比較した訪日外国人観光客による購買意欲の方向性に対する 現状判断(方向性)とその理由
  • 訪日外国人観光客による購買意欲の先行きに対する先行き判断(方向性)とその理由

 調査客体から収集した判断内容を点数化し、その平均値を最低0点から最大100点となる指数(Diffusion Index、DI)として示している。なお、平均回答者数が50を下回る期間に対応した算出値は参考値として扱われる。

 四半期系列は、月次系列(四捨五入前)の単純平均を四捨五入して整数値にしたものとなっている。

 
 

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