永松氏
優待施設の検索機能など充実
自治体・施設連携で活性化へ
ロードサービスを日本全国で展開している日本自動車連盟(JAF)の事業推進本部は、地方自治体などとの連携を強化し、地域活性化を推し進めている。この4月1日に事業推進本部長に就任した永松純一氏に、現状の事業活動と、今後の事業展開の方向性を聞いた。
――地方自治体などと観光協定を積極的に進めているがその詳細を。
JAFはドライブ旅行の推進を地域振興の一環と位置付けている。地方自治体との観光協定の締結数はおよそ610自治体に及び、会員優待施設との提携は全国約4万4千施設に及んでいる。会員優待施設の内訳は、道の駅や、ガソリンスタンドに加え、温泉施設や、旅館・ホテルなどと多岐にわたる。例えば、ドライブスポットで人気の高い道の駅では、全国約1230駅のうち、約700駅と提携済みだ。
――最近リニューアルされたJAFスマートフォンアプリ(JAFアプリ)について教えてほしい。また、会員の満足度を高めるために行っている戦略はあるか。
JAFアプリは会員限定ではあるが現在、約788万人に登録をいただいており、増加傾向にある。
直近では、利用者の利便性を高めるためアプリの機能を強化し、5月20日にリニューアルを実施した。具体的には、クーポンの視認性を向上させるとともに周辺の会員優待施設の検索機能を充実させた。会員の満足度を高める取り組みの一つとして、JAFアプリで表示されるメッセージやおすすめクーポンを表示することで会員に気づいていただき、利用していただけるよう取り組みを行っている。
――JAFアプリの機能強化は、JAF主力サービスであるロードサービスにも影響はあったのか。
GPS連動や車両情報を登録することでロードサービス要請機能が便利になっていることも要因の一つと考えている。今年も訴求していきたい。
昨年度のロードサービス出動件数は約239万件。出動を要請されてから38.9分以内の到着を目標としている。
――近年力を入れているJAFドライブスタンプラリーの特徴を。
ドライブスタンプラリーは昨年、各地方の特色に応じた142企画を実施した。
企画は自治体からの要請と、JAF側が依頼する両方がある。季節的な要因で、紅葉シーズンの秋口に集中する傾向があることは否めないが、全国で約14万人の参加があり、現地でデジタルスタンプが押印された数は40万回に達している。現在はドライブコース機能を含めた提案も実施している。
――最近、JAFの基本理念が改訂された。
「安全と安心の支えとなるサービスを提供し、移動価値が高い社会を目指す」とした。
JAFの基本理念は、1963年にロードサービスを開始してから2011年の一般社団法人への移行に伴い一部改訂されたが、その理念はほぼ変わっておらず、創立以来の改訂といっていいのではないか。移動価値の高い社会の実現を使命と位置づけ、交通安全活動と、地域振興に注力していくつもりだ。
――改めて、JAFの強みを教えてほしい。
会員向けの機関誌「JAF Mate」は約1300万部の発行部数であり、プッシュ型の情報提供を強みとしている。年間4回発行し、カーライフにまつわる情報や、その時々のトピックス、JAFからのお知らせなどを掲載する。JAFと会員の皆さまをつなぐコミュニケーションツールとして機能している。
JAF会員はマイカーを所有するオーナードライバーが主会員で、比較的購買力が高い層と言える。こういった会員の皆さまに支えられている点もJAFの強みと言えるだろう。
――最後に観光業界へのメッセージを。
JAFはドライブツーリズム「クルマで地域を巡る観光」を推進する団体として自治体、観光協会、旅行会社、旅館・ホテルなどの皆さまとの連携を深め、観光振興と地域経済の活性化に努めている。
さらに公共交通だけでは訪れにくい地方の観光地にとってもドライブを通じて誘客、滞在時間の増加などにつながる取り組みを引き続き、推進していく。

永松 純一(ながまつ・じゅんいち)熊本県出身。JAF福岡支部入社後、約20年間ロードサービス業務に従事する。その後、交通安全の啓発、会員サービスに取り組み、4月から現職。
【聞き手・西巻憲司】




