日本旅行業協会(JATA)はこのほど、全国10大学、1362人の大学生を対象に実施した「Z世代の大学生の海外旅行意識・実態調査」の結果を発表した。大学生のうち約8割が海外旅行の意向を持ち、特に海外旅行経験のある学生が強い意欲を示した。JATAは、高校時代の海外修学旅行など「海外経験の有無」が渡航のハードルとなっていると総括した。
調査は4月30日から6月24日にかけて行われ、東洋大学国際観光学部の越智良典客員教授(JATAアドバイザー)が監修した。
対象となる大学は、全国の各ブロックから1~2校とした。北海道は北海学園大学、東北は山形大学と東北学院大学、東京は早稲田大学と東洋大学、愛知は愛知淑徳大学、大阪は追手門学院大学、広島は安田女子大学、九州は福岡大学、沖縄は名桜大学。
調査では、全体の約8割が「海外旅行に行きたい」と回答。海外旅行経験のある人は今後も行きたいと回答した割合が高く、高校時代の海外修学旅行や語学研修の経験者が海外旅行経験者全体の34%に上ることも判明した。最初の渡航ハードルをいかに乗り越えるかが業界全体の課題だと総括した。
実際の海外旅行経験率は、全国平均で約5割だった。首都圏では7割、愛知では6割と、一部で地域差も見られた。
旅行費用の捻出方法については、「アルバイト」が84%と突出。1カ月のアルバイト収入10万円を旅行費用の目安として計画を立てる学生の姿もうかがえ、予算20万円以上を想定する学生は4割に上った。
行きたい国・地域は欧州が首位で、韓国、米国、ハワイ、台湾と続いた。費用面から欧州を諦め、アジアへの切り替えを検討する声も見られた。
旅行動機としては「景色」「食事」「その国を知りたい」が上位に挙がり、「インスタ映え」などSNS投稿目的は低位にとどまった。渡航における不安要素のトップ3は「治安・安全」「衛生」「物価」だった。体験そのものの質や安全・コスパ(コストパフォーマンス)を重視する傾向が見られた。
情報収集・旅行計画へのAI活用については、「よく使う」「時々使う」が合計55%に上った。75%が活用に肯定的な結果となった。「おすすめスポットの提案」「予算に合わせた日程作成」「モデルコースの提示」への期待が高いことが分かった。情報収集の起点となるSNSはInstagramがリードし、YouTube、TikTok、X(旧Twitter)と続いた。
JATAは今後、会員会社・航空会社・空港会社との連携による海外旅行拡大プロジェクト「もっと!海外へ」や、一般社団法人渋谷未来デザインとの連携プロジェクト「GO GLOBAL PROJECT」を通じて、若者の海外渡航を後押しするとしている。
また、9月24~27日に開催する「ツーリズムEXPOジャパン2026」では、一般日の26、27日に学生の入場を無料(来場登録と当日の学生証提示が必要)とする。
【水田寛人】




