お宿という職場には、ある矛盾があります。チェックインとチェックアウトが毎日繰り返される現場では、スタッフにとって今日もまた「いつもの1日」です。しかし目の前のお客さまにとっては、何年も楽しみにしていた旅行かもしれませんし、家族との大切な記念日かもしれません。スタッフにとっての「365分の1日」と、お客さまにとっての「人生の中の1日」。この価値の重さの違いが、お宿の本質的な課題の一つです。
現場サイドから見ると、人手不足の中で仕事をこなすだけで精一杯という状況では、どれほど志の高いスタッフでも、次第に「作業をこなす、さばく」気持ちが表に出てしまっても、おかしくはありません。この気持ちの変化は、意識や気合いでは直しきれません。
ここで大切なのは、われわれは目指す理想形を間違えないことです。「このような状況においても、全員がいつも笑顔で接客するスタッフ」を目指す必要はありません。「効率よく仕事を終わらせること」と「良い接客をすること」が矛盾しない状態になることが、優先ゴールです。そのための道筋は、次のシンプルな三つの段階を進むことで、ゴールが見えてきます。
会員向け記事です。





