出典:ホテル旅館 2026年 4/5月号掲載
熱海駅から徒歩3分の好立地に位置する「月の栖 熱海聚楽ホテル」は、70年近い歴史を持つ老舗旅館です。同館では、慢性的な人手不足や広大な敷地内・駐車場でのスタッフ間連携の難しさといった課題を抱えていました。こうした現場のストレスを解消するために、同館は楽天モバイルの通信インフラを基盤に、インカムアプリ「Buddycom」と客室タブレット「crotta」を導入。本記事では、伝統的なおもてなしとデジタル技術を融合させた結果、現場のオペレーションがどう変化したのかに迫ります。
導入背景
コミュニケーション面の課題を契機に、インカムアプリ導入を検討
月の栖 熱海聚楽ホテルでは、スタッフがお客様の車を離れた駐車場へ移動させる必要があり、その際の忘れ物確認や状況共有がPHSでは非効率な状況でした。
山田様「車両を移動中のスタッフとの連絡は、PHSでの1対1のやりとりしかできませんでした。コミュニケーションが煩雑になり、忙しいタイミングでの着信対応など現場のストレスも多かったです。インカムアプリを使って、複数のスタッフ間で状況を即時に共有できる仕組みを作りたいと考えていました」

楽天モバイルに決めた理由
通信距離制限の解消と課題に寄り添った提案
デジタルツールの導入にあたっては、館外でもつながる通信の安定性と多忙な現場での使いやすさを重視し、楽天モバイルが採用されました。
山田様「これまでのPHSから新しいシステムへ切り替える際、最も懸念していたのは本当に安定した通信が行えるのかという点でした。従来型のトランシーバーでは距離の制限があり、駐車場など館外に出ると音声が届かなくなっていましたが、インターネット回線を利用するBuddycomがその課題を解決してくれました。また、単に回線を敷くだけではなく、駐車場への車両移動時の連携不足や、客室内のパンフレットや館内情報の案内などの紙資料を常に最新状態にしたいといった私たちの具体的な悩みを深く理解し、それらを解決するために最適なインカムアプリのBuddycomやタブレットのcrottaを組み合わせて提案してくれた点も、採用する上での重要なポイントでした」
活用方法
音声情報の即時共有と内線・案内機能の一元化
これまでスタッフ間の情報共有はPHSの個別連絡に限定され、客室に置く案内パンフレットは紙の資料が用いられていました。Buddycomとcrottaの導入により、この状況を一新。スタッフへの同時情報共有とお客様案内のデジタル化を実現しました。
山田様「現場のオペレーションにおいて最も大きな変化は、情報の滞りがなくなったことです。以前のPHSは1対1の通信しかできず、接客中のスタッフが電話に出られないと、そこで情報の伝達が止まってしまいました。現在はフロントがお客様からの要望を受けた際、Buddycomを通じて全員へ一斉に周知しています。たとえ担当者が接客中であっても、周囲のスタッフが内容をボイスメールやテキストで把握し、即座にフォローに回るという連携が自然と定着しました。お客様の要望を誰かが必ず受け止め、情報の聞き逃しや対応の取りこぼしが発生しないオペレーションが定着しています。客室タブレットのcrottaは単なる電子パンフレットにとどまらず、内線通話やオーダー機能も一元化した役割を担ってくれています。以前は客室のテーブルにお酒のメニューや館内案内を紙資料として設置していましたが、これらをすべてタブレットに集約しました。また、これまでスタッフが対面や電話で受けていた浴衣の追加注文や夕食時のドリンクオーダーなどもすべてcrottaで完結する仕組みとしたことで、お客様のご要望に対し正確かつ迅速な対応が可能になっています」

導入効果
接客の本質である「対面サービス」へ注力
楽天モバイルの通信網を土台としたデジタルツールの導入は、物理的な移動や電話応対に伴うタイムラグを大幅に削減しました。負担が軽減されたことで、同館はスタッフが本来のおもてなしに専念できる環境へと大きく変化しています。
山田様「今回の導入で得られた最大の効果は、『人がやるべきこと』、つまりお客様との心の通ったコミュニケーションに集中できるようになった点にあります。私の信念は『コンピューターに任せられることは任せ、空いた時間をより質の高い対面サービスに充てる』ことですが、まさにその理想が形になりつつあります。以前は、忘れ物の確認や駐車場の状況共有のために何度もPHSをかけ直したり、広い館内を往復したりする手間がありましたが、今はその場から一歩も動かずに全員へ周知が可能です。この物理的なタイムラグの解消のおかげで、お客様をお待たせする時間が大幅に短縮されました。また、客室内の紙資料を撤廃してタブレットへ集約したことで、情報の更新がリアルタイムで行えるようになり、常にお客様へ最新かつ正確なご案内を届けられるようになったことも大きな価値です。慢性的な人手不足という厳しい環境下にあっても、テクノロジーを活用することでサービスの質を落とすどころか、さらに洗練されたおもてなしへと進化させていく手応えを感じています」
今後の展望
さらなるDX推進で実現する安心で快適な宿泊環境
月の栖 熱海聚楽ホテルは、今回の通信インフラの刷新を一つの起点として、今後は多様化するお客様のニーズに柔軟に応え、老舗旅館としての新たな進化を目指しています。
山田様「導入したシステムをさらに発展させ、お客様にとってより自由でストレスのない滞在環境を整えていきたいと考えています。その一環として進めているのが、貸切風呂の予約管理や入退室をタブレットのQRコード認証で完結させる仕組みです。一部のオペレーションを無人化することで、お客様はスタッフの対応を待つことなく、ご自身のタイミングでスムーズに施設を利用できるようになります。また、海外からのお客様がさらに増加することを見据え、多言語での案内体制もより強固にしていきたいと考えています。海外出身スタッフの語学力とデジタルツールの翻訳機能を組み合わせ、国籍を問わずすべてのお客様に安心していただける、より分かりやすく親切な情報提供の形を構築していく方針です」
今後も月の栖 熱海聚楽ホテルは、現場の声を生かす改善を積み重ね、老舗旅館としてのおもてなしの価値を高める取り組みを続けていきます。楽天モバイルの法人向けサービスは、宿泊業の最前線を支えるインフラとして引き続きサポートしてまいります。
導入サービス
宿泊DXパッケージ
コミュニケーションや業務効率、客室のネットワーク環境など、あらゆる課題に楽天モバイルの通信と多様な法人向けサービスを一括でご提供。フロントから客室、バックオフィスまで、現場のお困りごとに寄り添ったソリューションで、スタッフもお客様も満足できる運営をサポートします。
IP無線アプリBuddycom
現場同士をつなげる便利なコミュニケーションアプリ。ハンズフリーで通話できるほか、動画配信機能やMAP通話で現場状況をいち早くキャッチすることができます。
担当営業からのメッセージ
宿泊施設様の売上向上に貢献するため、楽天モバイルと連携して宿泊事業に特化したDX施策をご提案しております。今後も宿泊施設ごとのあらゆる課題に真摯に向き合い、ご満足いただける方法を模索して参ります。

楽天グループ(株)
コマース&マーケティングカンパニー トラベル&モビリティ事業
ホテル・旅館コンサルティング部 伊豆・箱根営業グループ
水野 玲奈

楽天モバイル(株)
グループセールスディビジョン
法人ビジネス統括部 DXソリューションセールス課
▷宿泊DXパッケージに関する問い合わせ先
注目のコンテンツ
第39回「にっぽんの温泉100選」発表!(2025年12月15日号発表)
- 1位草津、2位下呂、3位道後
2025年度「5つ星の宿」発表!(2025年12月15日号発表)
- 最新の「人気温泉旅館ホテル250選」「5つ星の宿」「5つ星の宿プラチナ」は?
第39回にっぽんの温泉100選「投票理由別ランキング 」(2026年1月1日号発表)
- 「雰囲気」「見所・レジャー&体験」「泉質」「郷土料理・ご当地グルメ」の各カテゴリ別ランキング・ベスト50を発表!
2025年度人気温泉旅館ホテル250選「投票理由別ランキング」(2026年1月12日号発表)
- 「料理」「接客」「温泉・浴場」「施設」「雰囲気」のベスト100軒





