公益財団法人日本生産性本部は7月16日、「レジャー白書2026」(速報版)を公表した。2025年の余暇活動に関する調査で、余暇時間・余暇支出ともに前年より「減った」と回答した人が「増えた」と回答した人を上回り、いずれの指数もマイナスに転じた。仕事より余暇を重視する「余暇重視派」は過去最高だった2024年から微減。余暇活動の参加率では「国内観光旅行(避暑、避寒、温泉など)」が4年連続で首位を守ったが、コロナ禍前の水準にはなお届いていない。
調査概要
調査は2026年2月、インターネットで実施した。全国の15〜79歳の男女を対象とし、総人口の性・年代別、地域別構成に準拠して割り付けた調査会社モニターから3,279人の有効回答を得た。調査種目はスポーツ部門28種目、趣味・創作部門29種目、娯楽部門21種目、観光・行楽部門12種目、その他部門18種目の計108種目。今年10月に発行予定の「レジャー白書2026」にも同調査結果を掲載する予定だ。
回答者の性別構成は女性50.5%、男性49.5%とほぼ均等。年代別では50代が18.8%と最多で、40代・70代が各16.7%、60代が15.6%、30代が13.7%、20代が12.5%、10代(15歳以上)が6.1%と続く。
余暇時間・余暇支出のゆとり感、ともにマイナスへ
2025年の余暇時間と余暇支出の増減を示す「ゆとり感指数」は、いずれもマイナスに転じた。
余暇時間のゆとり感指数はマイナス0.8となり、2018年以来のマイナス。コロナ禍の2020年に大きく上昇して12.8に達したのち低下傾向が続いており、2025年に再びマイナス域に入った。
余暇支出のゆとり感指数はマイナス2.1となり、2022年以来のマイナス。2020年に大きく落ち込んだのち2021年以降は段階的に回復し、2023年にはプラス5.5まで持ち直していたが、その後再び低下し、今回のマイナスに至った。
「余暇重視派」66.3%、過去最高の前年から微減
仕事(勉強や家事を含む)と余暇のどちらに重きを置くかを尋ねたところ、「仕事よりも余暇の中に生きがいを求める」と「仕事は要領よくかたづけて、できるだけ余暇を楽しむ」の合計である「余暇重視派」は66.3%だった。近年増加傾向が続き2024年に過去最高の67.8%に達していたが、2025年は1.5ポイント減少した。
内訳をみると、「仕事よりも余暇の中に生きがいを求める」が37.0%(前年37.8%)、「仕事は要領よくかたづけて、できるだけ余暇を楽しむ」が29.3%(前年30.0%)で、どちらも0.7〜0.8ポイントの減少。一方、「仕事にも余暇にも同じぐらい力をいれる」が21.4%(前年20.7%)、「余暇も時には楽しむが、仕事の方に力を注ぐ」が9.8%(前年9.3%)と、こちらはいずれも前年より増加した。「仕事に生きがいを求めて全力を傾ける」は2.5%(前年2.2%)。
男女別にみると、余暇重視派は男性64.8%、女性67.8%と女性がわずかに多く、女性の余暇重視派は3分の2以上となった。
年代別では、30代の余暇重視派が73.0%(「仕事よりも余暇の中に生きがいを求める」43.4%、「仕事は要領よくかたづけて、できるだけ余暇を楽しむ」29.6%)で最多。20代・40代・50代はいずれも67%程度、10代・60代・70代は63%前後となっている。「仕事に生きがいを求めて全力を傾ける」の割合は20代が5.6%で最多。20〜30代は「仕事にも余暇にも同じぐらい力をいれる」と「余暇も時には楽しむが、仕事の方に力を注ぐ」の割合が他の年代より少ない傾向もみられた。
参加率トップ10の顔ぶれ
国内観光旅行が4年連続首位、外食は順位を1つ上げる
2025年の余暇活動参加率(2025年の1年間に1回以上行った人の割合)の上位10種目は次の通り。
1. 国内観光旅行(避暑、避寒、温泉など) 47.7%
2. 外食(日常的なものは除く) 39.5%
3. 動画鑑賞(レンタル、配信を含む) 36.4%
4. 音楽鑑賞(配信、CD、レコード、テープ、FMなど) 34.6%
5. 映画(テレビは除く) 33.7%
6. 読書(仕事、勉強などを除く娯楽としての) 33.3%
7. ウォーキング 29.2%
8. ドライブ 28.0%
9. 複合ショッピングセンター、アウトレットモール 27.4%
10. SNS、エックスなどのデジタルコミュニケーション 27.0%
「国内観光旅行(避暑、避寒、温泉など)」は47.7%で4年連続の1位を維持した。ただし前年(48.3%)からは微減しており、コロナ禍前の2019年の参加率(54.3%)の水準には至っていない。
2位は「外食(日常的なものは除く)」で39.5%。前年(35.6%)から3.9ポイント増加し、2020年以降で最多となった。順位は前年の3位から1つ上昇したが、2019年(43.7%)の水準よりはなお低い。
前年2位だった「動画鑑賞(レンタル、配信を含む)」は36.4%と1.7ポイント減少し3位に後退。4位の「音楽鑑賞(配信、CD、レコード、テープ、FMなど)」(34.6%)は前年5位から順位を上げ、5位の「映画(テレビは除く)」(33.7%)は前年7位から浮上した。前年4位の「読書(仕事、勉強などを除く娯楽としての)」(33.3%)は参加率の減少はわずかだったものの、他種目の変動に伴い6位に低下した。
男女別でも1位・2位は共通
男性の参加率上位10種目では、1位が「国内観光旅行(避暑、避寒、温泉など)」(46.2%)、2位が「外食(日常的なものは除く)」(39.1%)、3位が「動画鑑賞(レンタル、配信を含む)」(38.7%)、4位が「音楽鑑賞(配信、CD、レコード、テープ、FMなど)」(33.9%)、5位が「読書(仕事、勉強などを除く娯楽としての)」(30.9%)。以降、「ドライブ」(30.7%)、「映画(テレビは除く)」(30.6%)、「ウォーキング」(30.3%)、「テレビゲーム(家庭での)」(27.3%)、「SNS、エックスなどのデジタルコミュニケーション」(27.2%)と続いた。
女性の参加率上位10種目では、1位が「国内観光旅行(避暑、避寒、温泉など)」(49.2%)、2位が「外食(日常的なものは除く)」(39.9%)で男性と同様の顔ぶれ。3位以降は「映画(テレビは除く)」(36.7%)、「読書(仕事、勉強などを除く娯楽としての)」(35.6%)、「音楽鑑賞(配信、CD、レコード、テープ、FMなど)」(35.2%)、「動画鑑賞(レンタル、配信を含む)」(34.2%)、「ウィンドウショッピング(見て歩きなど娯楽としての)」(32.4%)、「複合ショッピングセンター、アウトレットモール」(32.2%)、「動物園、植物園、水族館、博物館」(30.3%)、「ウォーキング」(28.1%)と続いた。
希望率トップ10、「国内観光旅行」が引き続き断トツの首位
将来やってみたい、あるいは今後も続けたいとする「希望率」の上位10種目は次の通り。
1. 国内観光旅行(避暑、避寒、温泉など) 62.6%
2. 動物園、植物園、水族館、博物館 35.8%
3. 読書(仕事、勉強などを除く娯楽としての) 35.6%
4. 外食(日常的なものは除く) 35.0%
5. 温浴施設(健康ランド、クアハウス、スーパー銭湯等) 34.0%
6. 映画(テレビは除く) 32.2%
7. ウォーキング 31.8%
8. 複合ショッピングセンター、アウトレットモール 29.8%
9. 遊園地、テーマパーク 29.6%
10. 音楽鑑賞(配信、CD、レコード、テープ、FMなど) 29.0%
「国内観光旅行(避暑、避寒、温泉など)」は62.6%で、前年(64.1%)から1.5ポイント減少したものの継続して1位。2位以下との差は約27ポイントに達しており、突出した希望率を維持している。
2位は前年から継続して「動物園、植物園、水族館、博物館」で35.8%と前年と同値。3位は「読書(仕事、勉強などを除く娯楽としての)」(35.6%)で、2023年の2位から2024年は4位に低下していたが、0.6ポイント増加して3位に浮上した。前年3位だった「温浴施設(健康ランド、クアハウス、スーパー銭湯等)」(34.0%)は1.4ポイント減少して5位に後退した。
潜在需要トップ10、「海外旅行」が2年連続首位
希望率から参加率を差し引いた「潜在需要」(希望はあるがまだ実現していない需要)の上位10種目は次の通り。
1. 海外旅行 15.5%
2. 国内観光旅行(避暑、避寒、温泉など) 14.9%
3. 動物園、植物園、水族館、博物館 11.5%
4. 遊園地、テーマパーク 11.3%
5. 温浴施設(健康ランド、クアハウス、スーパー銭湯等) 10.7%
6. クルージング(客船による) 9.6%
7. バーベキュー 9.0%
8. ピクニック、ハイキング、野外散歩 8.3%
9. 催し物、博覧会 6.5%
10. 音楽会、コンサートなど 6.4%
2024年と同様に、1位が「海外旅行」(15.5%)、2位が「国内観光旅行(避暑、避寒、温泉など)」(14.9%)となった。ただし「海外旅行」は前年(17.6%)から2.1ポイント、「国内観光旅行」は前年(15.8%)から0.9ポイント、それぞれ減少。いずれも希望率の低下が主な要因だ。
前年3位だった「温浴施設(健康ランド、クアハウス、スーパー銭湯等)」も希望率の低下に伴い潜在需要が低下し5位に後退。入れ替わりで「動物園、植物園、水族館、博物館」が3位に、「遊園地、テーマパーク」が4位となった。調査全体として、多くの種目で参加率・希望率ともに前年より低下し、潜在需要も低下する傾向が見受けられた。
平均参加種目数は10.0種目、コロナ禍前の水準には届かず
一人当たりの平均参加種目数は10.0種目で、前年(10.2種目)より0.2種目減少した。コロナ禍の2020年(9.9種目)、2021年(9.7種目)よりは多いものの、2022年(10.1種目)を下回り、コロナ禍前の2019年(12.3種目)と比べると2.3種目の差がある。部門別では、2024年に比べ「その他部門」が0.1種目減少した。
一人当たりの平均希望種目数は12.0種目で、平均参加種目数と同様に前年(12.2種目)から0.2種目減少した。平均希望種目数は年々減少傾向にある。部門別では「観光・行楽部門」で0.1種目減少した。
各種目の詳細な参加率・年間平均活動回数・年間平均費用・希望率のデータは、日本生産性本部の「レジャー白書」サイト(https://www.jpc-net.jp/research/list/leisure.html)で確認できる。「レジャー白書2026」の完全版は今年10月に発行予定だ。




