竹内氏
タイトルをご覧になって、「包むから小(ショウ)籠(ロン)『包(ポウ)』なんだろっ!」とツッコミを入れているアナタ。実は今、「包まない小籠包」は、SNSやレシピサイトを中心に大人気の料理なのだ。
ご存じない方のためにチョット解説。まずは小籠包について。小麦粉の薄い皮で豚ひき肉の餡(あん)を包み、蒸籠(せいろ)で蒸した中国料理の点心の一つ。一番の特徴は、餡に煮こごりを混ぜ込むこと。加熱されると、コレが溶けてスープに変身する。だから、ひと口かじれば熱々のスープがあふれ出す。その瞬間、誰もが「アチチ!」なんて言いながら、小籠包の醍(だい)醐(ご)味(み)を感じて笑顔になる。つまり、「包む」というのはこの料理にとって、とても大切な要素なのだ。
では、どうすればそれを省けるのか? 小籠包には、(1)プルンとした皮(2)ひき肉の餡(3)スープ、の三つが不可欠。次の手順で調理すれば、包まなくてもこの三つの要件が満たせるのだ。
1(46)直径9センチくらいの耐熱容器の底にギョーザの皮を敷く。2(46)通常の肉ダネより水分を多くした餡を入れる。3(46)餡の上から濡らしたギョーザの皮でフタをする。4(46)フライパンに並べ水を入れ、フタをして約10分蒸すと、「食べれば小籠包」の出来上がり!
まさに、簡単時短! でも、ホントにSNSの投稿みたいにうまくいくのか? そこで、実際に作ってみた。
先述の手順は丸型のココットを使用するやり方だが、ネットには大きな四角いグラタン皿を使用したモノや、フライパンに直接餡を入れてしまうワンパンスタイルもある。皮もギョーザでなく、ワンタンやシュウマイの皮バージョンも。さらに、フライパン蒸しでなく蒸籠蒸しもあれば、電子レンジでチンする方法も。ワンパンの場合はそのまま火にかけてしまう。
さて、どうする? 大きな容器でイッパツの方が作るのは楽だが、食べるには個別になっている方が食べやすい。だが、家にちょうど良いココットが見当たらず、ググってみた。ジャストサイズで手頃な耐熱プラ容器を発見! 即ゲットした。
餡はひき肉に長ネギ、みじん切りのエノキ茸と鶏ガラスープの素やオイスターソース、しょうゆなどの調味料、そして多めの水。エノキを入れるのは、保水力が高まり、肉汁が逃げにくい上、食感がふんわり軟らかくなるから。エノキ以外に、はんぺんや豆腐でもOKだ。
中身がくっつかないよう、容器の内側にごま油を塗ったら、ボウルに張った水をくぐらせたギョーザの皮を敷き、餡を入れ、さらに皮でフタをする。コレを蒸籠で10分蒸すと、皮の上にスープがあふれ出ていた。皮はプルンプルン♪ そして、スプーンが必要なくらい、超スープだく! 針しょうがを載せて黒酢をたらせば、「なんちゃって」とはいえ、味わいはちゃんと小籠包。家族からも大好評だった。
簡単時短は、ただの手抜きと言われることもあるけど、「包まない小籠包」にはそのための工夫が詰まっている。毎日料理をしなきゃいけない人にとっては福音だ。また作ろうっと♪
※宿泊料飲施設ジャーナリスト。数多くの取材経験を生かし、旅館・ホテル、レストランのプロデュースやメニュー開発、ホスピタリティ研修なども手掛ける。




