【逆境をチャンスにー旅館の再生プラン 807】カスハラ時代に「お客さまは神様」を問い直す(3) 青木康弘


 前回コラムでは、苦情とカスハラを見分ける二つの基準を取り上げ、要求の中身か、その通し方のどちらかが度を越えていれば、カスハラに該当すると述べた。だが、そう判断しても、その客を実際に断れなければ、現場は守れない。今回コラムでは、宿泊を断る判断について取り上げたい。

 2023年12月に改正旅館業法が施行され、宿は迷惑な客の宿泊を断れるようになった。理不尽な要求が繰り返され、業務に著しい支障が出る場合には、予約や宿泊を拒否してよいと、法律に明記されている。

 ところが、旅館・ホテルの経営者に話を聞くと、断ることにちゅうちょする方が多い。法律を知らないからではない。「断ったら、ネットに悪い口コミを書かれてしまう」と恐れて踏み切れないのだ。

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