鈴木氏
住民理解促進のためのDMO施策
今月、パレスホテル東京で開催のNISEKO MICEセミナーには、都内から37社46名の旅行会社、メディアの皆さまにお越しいただき、最新のニセコのインセンティブ事例をご紹介させていただいた。5年前に前職ハワイから着任し、在外でのMICE経験を生かしMICE部会を立ち上げ、1年で200プランを造成し、国内にはどこにもないプレミアムな商材化を試みた。
昨年からアメリカ、シンガポール、タイ、ソウル、台湾、オーストラリアでの商談を重ね、先月は3千人を超えるネットワークビジネスのインセンティブも成約できたのは、ニセコのグリーンシーズンにフォーカスしたBtoBモデルと冬の知名度を生かした夏のポテンシャルを高めたことにある。多くのパートナーを巻き込んでDMOとしてDMCとの連携を強化してきた結果である。
一般社団法人倶知安観光協会では、財源・人財を兼ね備え、6名の少数精鋭でも3.8億円の事業を遂行している。この生産性の高さが最大の武器であり、女性中心の職場は一人一人のスキルの高さはもちろん責任感や住民に寄り添った施策を展開している。例えば、国際観光地ならではの問題として、「物価高」がメディアに顕著に取り上げられると、われわれは地元に「適正な価格転嫁」を促す。そうすることで古くからの飲食店や小売を守れると考え、原価や人件費に応じた適正価格が設定されていく。
その上で365日顧客である住民にはローカル優待として、DX化によりマイナンバー連動の住民認証の仕組みを構築し、KUTCHAN ID+が生まれた。日々のスーパーでの買い物も日帰り入浴からレストランの食事まで住民は5~50%程度割引を受けられる。スキーのリフト券は70%引きで購入可能だ。
加えて昨年から米国フロリダオーランドでもオフ期に実施される住民限定のレストラン半額!Magical Diningもニセコ版で始めた。この仕組みは物価高対策などではなく、リゾートに足を運んでもらう施策として評価されている。それは住民だけのベネフィットではなく、閑散期のレストランの雇用維持やCS向上、新メニューの開発にも役立てられている。今年からは住民の宿泊(スティケーション)やアクティビティにも割引を拡大し好評である。スキーのリフト券は昨年対比で10倍も町民が購入している。このことは観光の住民理解にもつながっており、リゾートを抱える自治体ではぜひ試してみるべきと思う。
倶知安町は全国唯一、宿泊税を定率3%で徴取している。「住んでよし」「訪れてよし」「働いてよし」「投資してよし」を兼ね備える観光施策を展開していきます。

鈴木氏




