日本タイポグラフィ年鑑2026 「人吉温泉あゆの里」がグランプリ ロゴ生かし商品開発も


グランプリを顕彰する盾

グランプリを顕彰する盾

 優れたタイポグラフィ作品を選出、顕彰する「日本タイポグラフィ年鑑2026」(主催=日本タイポグラフィ協会)がこのほど発表され、人吉温泉あゆの里(熊本県人吉市、有村有美社長)のロゴが全10部門を総合してのグランプリに輝いた。同館では今後、ブランドロゴを生かしたギフト商品の開発なども進め、ハイブランドとしての同館ブランドの浸透を図る。

 日本タイポグラフィ年鑑は、1969年に『日本レタリング年鑑』としてスタートしたもので、2025年度版で47冊目。国内外から一般公募で集まった2101点の作品から13人の審査委員が選出した481作品を掲載している。グランプリは会員から選ばれた審査委員と前年度のグランプリ受賞者の審査により、全出品作品の中から1点選ばれる。

 同館のロゴデザインは、九州在住のデザイナー、茂村巨利氏が制作したもので、10部門のうちVI(ビジュアル・アイデンティティ部門)から選ばれた。

グランプリを受賞した同館ロゴ

グランプリを受賞した同館ロゴ

 同館では2020年7月の球磨川氾濫による水害の被害と、その後も続くコロナ禍の影響からの復興を図る中、リブランディングによる新たなマーケティング戦略の策定を模索。その中でリブランディングの中核として、旅館名を「清流山水花 あゆの里」から「人吉温泉 あゆの里」に変更。これと併せて、リブランドを印象付けるロゴの策定に取り組んだ。

 リブランディングにあたっては、茂村氏やクリエイティブディレクターの栗田真二郎氏とともに、役員や社員を含めたワークショップを実施。半年かけて目指すべき旅館像やブランドコンセプトをまとめ上げた。その後、旅館や人吉温泉の歴史などをひも解きながら、茂村氏がロゴ案を複数提示し、その中から役員らが選定した。

 受賞作である新ロゴは、2匹のアユを組み合わせて「あ」の文字を表したもの。アユの集まる場所で創業した同館の歴史と、古来から日本の魚として愛されてきたアユの生態から着想した。「あ」は漢字の「安」が字母。旅館に求められる安らぎの意味も込めた。

 受賞について有村社長は「タイポグラフィというものをよく存じ上げなかったですし、とにかく驚きました。都市部や大手企業などがグランプリに選ばれることが多いそうです。世界中で手に取られるこの年鑑の巻頭で7ページにもわたり、当館の思いや茂村さんの考えを紹介いただけるのはありがたいことです。素晴らしい賞に恥じないよう、このロゴとあゆの里のブランドを大切にしていきたいですね」と力を込めて語った。

 同館では今後、ロゴを使ったオリジナルギフト商品などを地元百貨店などを通じて展開。上質な商品群によるブランド向上と同館の認知拡大を図る考えだ。

グランプリを顕彰する盾

グランプリを顕彰する盾

【小林茉莉】

 
 

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