ラクス(本社・東京都渋谷区)が提供する問い合わせ自動応対システム「楽楽自動応対」が、インバウンド需要の高まりと慢性的な人手不足に直面するホテル・旅館業界から注目を集めている。メール処理市場において17年連続売上シェア1位(※)を誇り、累計導入社数は9000社を超えた。同社はさらに、宿泊業界からの要望に応え、今年7月に多言語翻訳機能のリリースを予定している。
※出典:ITR「ITR Market View:メール/Webマーケティング市場2026」メール処理市場:ベンダー別売上金額推移およびシェア(2009〜2025年度予測)、同レポートには旧製品名(メールディーラー)で掲載
対応漏れ・引き継ぎミスを「見える化」で根絶
フロントで1台のPCを複数のスタッフが共用したり、シフト制で担当者が入れ替わったりする宿泊施設では、対応遅れや引き継ぎ漏れが生じやすい構造的な問題がある。
日々大量に届くOTA(オンライン旅行代理店)からの通知メールに、顧客からの問い合わせや要望が紛れて見落とされるリスクも常につきまとう。特に、スタッフ1人では判断できず支配人の確認を仰ぐ必要がある問い合わせは、通常のメーラーでは受信トレイの奥に埋もれがちだ。
「事前の問い合わせへの返信が遅い」「相談していた内容が宿泊時にフロントへ伝わっていない」——そうした事態が起こると、顧客満足度の低下や本部への苦情、ネガティブな口コミ投稿につながりかねない。
「楽楽自動応対」はこの課題を、複数スタッフによるメール対応状況の「見える化」によって解消する。応対ステータスに応じて「新着」→「返信中」→「対応完了」と自動でタブが移動するため、チーム全員の対応状況を一目で把握できる。問い合わせ1件ごとに担当者を割り当て、責任の所在を明確にする機能も備える。誰が担当しているかが一目瞭然で、対応漏れがなくなる仕組みだ。
新人でも「ホテルにふさわしい品質」を担保
チーム連携の強化も同システムの大きな特長だ。
他の担当者の応対履歴を含む電話やメールのやり取りを、顧客ごとに時系列で表示する機能を持つ。急な代理対応や退職に伴う引き継ぎも、過去のやり取りをすぐに確認できるためスムーズに行える。
テンプレート機能も充実している。よく使う案内文や定型文を登録しておけば、返信時にプルダウンから選択するだけで呼び出せる。担当者ごとのバラつきをなくし、均一化された応対品質の実現につながる。
さらに、メールの承認フローを設定できる機能も搭載している。新人スタッフが作成したメールを確認・承認してから送信するという運用が可能で、経験の浅いスタッフでも「ホテルにふさわしい品質を担保した上で顧客に返信できる」とラクスは説明する。
AIが返信文案を自動生成、稼働を約46%削減
「楽楽自動応対」には、AI(人工知能)を活用した返信文の生成機能が標準搭載されている。
過去のメールやFAQデータをナレッジとして活用し、最適な返信文案を自動生成する。担当者は返信案の確認と手直しだけで済み、対応にかかる時間を大幅に削減できる。企業独自の知見が必要な場合も、AIが文脈を理解した上で最適な回答を生成するため、外部のAIツールを別途使う手間がない。
稼働削減効果について、ラクスは「1か月に200件の要応対メールを処理する場合、導入前後の比較で稼働が約46%削減できる」と試算している。また、応対メール件数200通/月、応対人数5人、時給2,000円という条件のもと、メール業務にかかる人件費を年間約240万円削減できるとも同社は示している(ラクス調べ)。
AIを活用した「リスク検知機能」も備える。受信メールの内容をAIが解析し、優先度の高い問い合わせを自動で判定して管理者へ通知する。管理者は全メールを確認しなくても、緊急性が高いメールを見逃さずに早期にフォローアップできる。
7月、訪日外国人に対応する翻訳機能をリリース
インバウンド対応の強化も図る。
訪日外国人旅行者の増加を背景に、ホテル・旅館では外国語によるメール対応の機会が増加している。これに応えるべく、ラクスは今年7月、「楽楽自動応対」に新たな翻訳機能を追加する。
外国語で受信したメールを日本語へ翻訳する機能と、日本語で作成した送信メールを外国語へ翻訳する機能の両方が、「楽楽自動応対」の画面上で完結する。英語、中国語、韓国語をはじめとする多言語に対応する予定だ。
チョイスホテルズジャパン、全国100ホテルに展開
すでにホテル・旅館業界での導入実績も積み上がっている。その代表例が、複数の宿泊特化型ホテルをグループ全体で100展開するチョイスホテルズジャパンだ。
同社は、創業以来こだわってきた顧客へのメール対応品質を全ホテルで担保するため、長年運用してきたメール共有管理システムを刷新し、「楽楽自動応対」を導入した。
導入の経緯について、同社の小野氏はこう語る。「『楽楽自動応対』を選んだ理由の一つは、返信までの速さや差し戻し回数など、品質に関わる指標を数値で把握できる点です。従来から課題に感じていた対応状況の可視化ができることで、ホテルごとの改善にもつなげやすいと考えました」
セキュリティ面でも評価は高い。「添付ファイルの暗号化や誤送信を防ぐ機能も十分とはいえず、個人情報を扱う上でのヒヤリハットから解放されました。この手間がなくなったことも、安心して全店展開を進められたと感じております」(小野氏)
承認フロー・ダイレクトメール機能を積極活用
導入後の活用状況について、同社の菅野氏が詳しく説明した。
「最も活用しているのは、承認フロー機能です。ホテルスタッフが作成した返信内容を本部スタッフが確認してから送信するという運用です。これまでは顧客向けメールをチェックする目的で、二つのシステムを使い分けていましたが、『楽楽自動応対』は受信メールと送信メールが同じ画面に蓄積しているため、確認の抜け漏れ防止にもつながっています」(菅野氏)
ダイレクトメール機能の活用も進む。設備の故障や災害時など、特定期間に宿泊予定の顧客を条件で抽出して一斉に案内を送ることができる機能だ。「従来のようにメールで個別に連絡を取るには手間がかかる上、返信漏れや誤送信のリスクもありましたが、一元管理できるようになったことで、対応工数を大幅に削減できました」と菅野氏は話す。
個別の対応履歴の管理も容易になった点も評価している。「お客様とのやり取りを時系列で把握できるので、過去の問い合わせ内容や対応状況をすぐに確認できます」(菅野氏)
また、導入時のサポートについても「担当者のきめ細やかなサポートも大きな要因でした。当社の事情に寄り添った手厚い支援があったからこそ、スムーズな移行が実現できたと感じています」と菅野氏は述べた。
小野氏も導入後の変化をこう振り返る。「導入後は各ホテルの状況を客観的なデータとして捉え、全社の傾向を分析したうえで、どこに手を打つべきか判断できるようになりました。承認依頼を『至急』と『通常』に分けて運用できる点も便利で、多くの承認依頼が本部に届くなかでも、緊急性の高い案件を見逃さずに対応できます」
導入から運用まで専任スタッフがサポート
「楽楽自動応対」の導入は、専任スタッフがサポートする体制を整えている。
課題の整理から導入、初期設定、現場ユーザーへのトレーニングまで全てに対応する。ラクスは「導入後のサポート体制は当社の強みの一つ。専門性の高い担当者が初回提案から運用支援までサポートする体制を整えている」と強調する。
料金体系は月額料金制。利用ユーザー数や容量(保存通数)に応じて変動する。無料トライアルも提供しており、実際の画面や機能を試すことができる。
なお、かつては「メールディーラー」という名称で知られていたが、昨年「楽楽自動応対」へと名称を変更した。同社が手がける「楽楽精算」などのクラウドサービス群と同様に、「楽楽」ブランドのもとでサービスを展開している。ラクスグループのサービスは、のべ108,000社以上の契約実績を持つ(2026年3月末時点)。
資料請求・問い合わせは「楽楽自動応対」のウェブサイトから受け付けている。電話でのお問い合わせは東京:03-5368-1631(平日9:00〜18:00)。
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