【日本政府観光局インバウンド最新リポート 132】タイの訪日旅行市場 リピーター増で体験型に関心 JNTOバンコク事務所 中杉元所長


キャンピングカーなど、自由な旅行スタイルにも関心が高まっている

キャンピングカーなど、自由な旅行スタイルにも関心が高まっている

 2025年の年間訪日タイ人数は123万人と、前年比7%増を記録した。さらに2025年12月から2026年3月まで、直近4カ月連続で当該月の過去最高を更新するなど、訪日人気は依然として高水準を維持している。歴史的な円安・バーツ高が追い風であることは事実だが、2024年3月以降の査証免除や安価な料金設定で人気を集める中国旅行と比較される中でも、日本は「質の高い体験ができる目的地」として改めて評価され、その魅力をリーズナブルに体感できる点が支持を広げている。

 その結果、2025年インバウンド消費動向調査(観光庁)によると、2025年は訪日4回目以上が46%、6回目以上が27%と、リピーター比率が一層高まった。さらに前回の訪日が1年以内との回答も39%に達している。訪日時の高い満足度が友人・家族への口コミのみならず、自身の再訪にも直結しやすい市場といえる。

 こうした傾向は、訪日旅行ファンによるFacebookコミュニティの動向にも表れている。リピーター同士が具体的で多様な訪日体験や質問を活発に共有する中、「毎年再訪したい日本の場所」として、京都のほか、北海道、高山・白馬、東北、長野などが挙がっているが、その理由としては、美しい自然景観や美食、日本の伝統文化への評価に加え、「落ち着いた雰囲気」「静かでリラックスできる」「観光客が少ない」「穏やか」といったキーワードが多く見られる。タイ語で「心地よい」「リラックス」を意味する「サバイ・サバイ」という言葉に象徴されるように、リピーター化が進む中で、旅先の日本でもゆったりと過ごしたいというニーズも高まっている。

 リピーター増加に伴い体験型コンテンツへの関心や自由旅行志向も顕著だ。これまで雪を見ることや雪遊びで満足していた層でも、近年はスキーやスノーボードへの関心が高まり、タイ人インストラクターによるレッスンの受講や、グッズもレンタルから購入に移行する動きも見られる。JNTOバンコク事務所主催のBtoCイベントにおける調査では、地方訪問時の交通手段としてレンタカーを選ぶ割合が20%と前年の12%から大きく伸長した。

 また、フォロワー90万人超の当事務所Facebookアカウントにおいて、年間で最も多くシェアされた体験型コンテンツはキャンピングカー体験であり、より自分だけの空間で自分の好きな場所に行き好きなペースで時間を過ごす、自由な旅行スタイルが好まれる傾向が高まっている。

 そうした中、2027年は日タイ修好140周年の節目の年を迎える。当事務所でも、それを軸としたPR展開を予定している。日本の関係者各位におかれても、皆さまの地域や施設におけるタイとの人的・物的・社会的なさまざまなつながりを掘り起こし、その土地ならではのストーリーとして活用することで、新たな誘客機会につなげていただく絶好の機会となるだろう。

キャンピングカーなど、自由な旅行スタイルにも関心が高まっている

キャンピングカーなど、自由な旅行スタイルにも関心が高まっている

 
 
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