私の視点 観光羅針盤
日本有数の歴史文化都市である京都市はいま大きな危機に直面している。京都は明治維新まで日本の中心都市であったために「千年の古都・京都」を担う誇りと気概があふれ、職住共存のまちが歴史的に形成されてきた。盆地で山紫水明の美しい環境と景観に恵まれているが、歴史的にはさまざまな災厄に見舞われながら、成熟都市として発展した。
京都は太平洋戦争末期に原爆投下の有力目標都市だったが、歴史的文化的価値評価で目標から除外され、大規模空襲も免れた。戦後の高度成長期に重厚長大型工業開発で美しい国土が破壊されたが、京都は20世紀型開発から免れた。21世紀に入り、インバウンド観光によるオーバーツーリズムで「京都が京都でなくなる」危機に直面している。
古都の危機に際して、都市計画学の大家として長年にわたって京都に尽くしてこられた広原盛明氏(元・京都府立大学学長)は今年5月発行の最新著「京都はオーバーツーリズムか:暮らしに寄り添う観光型まちづくりへ」(実生社)で重要な提言を行っておられる。
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