エクスペディア・グループは5月21日、B2B部門において、AIツールキットおよび新たなプラットフォームを発表した。AI機能の拡充、移動サービス分野の強化、マーチャンダイジング機能の拡張により、ブランドによるエンドツーエンドの旅行体験の追加と拡大を支援する。同日、アイルランド発のB2Bプラットフォーム「CarTrawler」の買収契約締結も明らかにした。
パートナー向けAIツールキットを先行公開
エクスペディア・グループB2Bは、「Explore 26」において、現在開発中の新しいAIツールキットを先行公開した。今後数カ月以内に、一部のパートナーを対象に展開される予定だ。
このツールキットにより、B2BパートナーはAPI、インターフェース、エージェントワークフロー全体にわたり、エクスペディア・グループの機能をAI体験へより簡単に組み込めるようになる。
その中核を成すのが「Intelligent Experience Platform」だ。エクスペディア・グループのインテリジェンスを活用し、パートナーが自社ブランドの旅行体験を立ち上げられるよう設計された、組み合わせ可能なAIコンポーネント群である。
エクスペディア・グループB2Bは、パートナーが新たな旅行サービスを立ち上げるための時間と投資の負担を軽減するとともに、「旅行者がAIで旅行計画を立てることが当たり前になる未来」を見据え、その変化に備えられるよう支援するとしている。
マーケティング・メディア機能も強化
パートナーがより多くの旅行者に訴求できるよう、マーケティングおよびメディア機能の強化も発表した。
Rapid APIのパートナー向けには、B2BパートナーポータルでマーケティングURL戦略の計画および進行管理を可能にするとともに、新しい「Merchandising API(販売機能API)」を通じて、複数のプラットフォームやチャネルで販促を行うことができる。
加えて、エクスペディア・グループ・アドバタイジングは、旅行者向け広告配信機能「トラベルメディアネットワーク」において以下を発表した。
-
Max Room Nights入札のような戦略を備えた、強化版のAI搭載広告ポータル
-
検索結果、施設ページ、旅程、チェックアウト画面での広告フォーマットの拡充
-
DSPおよび厳選されたメディアパートナーとの連携と、リーチの拡大
レンタカー・保険テックなど移動サービス分野を拡充
サービス領域の拡充においては、パートナーがより多くの旅行機会を獲得できるよう、レンタカー、陸上交通、インシュアテック(保険テック)分野を強化する。
この一環として、主要な旅行ブランドを支えるアイルランド発のB2BプラットフォームであるCarTrawlerの買収契約を締結した。
CarTrawlerの買収は、オランダのアクティビティプラットフォーム「Tiqets」の買収に続くものだ。これらの取り組みは、Rapid APIの提供範囲を宿泊から、レンタカー、航空、アクティビティ、付帯サービスへと拡大するという同社の成長戦略を推進するものとしている。
CarTrawlerの機能は、エクスペディア・グループの規模、技術、パートナーネットワークと連携することで、パートナーに新たな成長機会をもたらすとともに、旅行者に対して選択肢と価値を提供するとした。本取引は、通常のクロージング条件の充足を前提として、2026年後半の完了を見込んでいる。
信頼性・サポート体制の強化も強調
今回の各発表を通じて、エクスペディア・グループはB2Bプラットフォームを支える信頼性とインフラの重要性を強調した。
高リスクのAI導入案件が本格展開される前に審査を行う「Responsible AI Council」を設置。B2Bネットワークの拡大を見据え、サービス対応を中核的な戦略機能と位置づけ、人材、プロセス、AIへの継続的な投資を進めているとした。
エクスペディア・グループB2Bは、パートナー向けに年間700万件超のサービス対応コールを処理し、25言語で24時間365日のネイティブ音声サポートを提供している。
エクスペディア・グループB2B部門プレジデント兼CCOのアルフォンソ・パレデスは、次のように述べている。
「パートナーの皆様が求めているのは成長だけではありません。自社ブランドと顧客が安心して任せられる環境にあることも重視しています。私たちは、パートナーの皆様が当社の仕組みをより簡単に活用できるようにし、より幅広い旅行サービスを効率的に提供できる環境を整備し、長年培ってきた運用を基に、販売拡大とサービス向上の両立を支援していきます。」





